『フィンランドの教育力』
フィンランドの教育力―なぜ、PISAで学力世界一になったのか (学研新書)
- 作者: リッカパッカラ,Riikka Pahkala
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 新書
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大学などで「学級担任論」を講ずる場合に、この本をテキストの一つにしたらどうかな。この本と日本での取組の本、たとえば赤坂真二さんの本などを比較させて、各自はどのようなスタンスに立つかなどを考えさせると面白いのではないかと思う。
- 子たちに人気のある先生は、フェアなよきリーダーです。クラスをしっかり統制していてクラスの平安を保ち、自分が何をすべきかをよく理解している、よき統率者です。子どもたちは不平等を何より嫌いますから、教師のアンフェアな行為には敏感に反応します。そして、自分は正しいことをしたいと強く望んでいます。(p.84)
- 学校で、教室で、子どもたちが必要としているのは、年上の友だちではなくて大人です。(p.89)
- 7歳までにその子のすべてが形成されるとまでは言いませんが、人格のかなりの部分ができ上がっているのは事実です。ですからこのときまでに、子どもたちに次のことを教えておいて欲しいのです。「お願いします」「ありがとう」「ごめんなさい」たった3つだけ、難しいことではないと思うのですが……。(p.100)
- 子どもは、他者との違いに大人より柔軟です。これは違うとか、これはダメだとかを言って、指差ししたりしません。それをするのは大人で、子どもに差別を教えるのは大人なのです。(p.126)
- 私は、宿題はあってしかるべきだと思います。学校以外での多少の余分な勉強と、子どもが学校で何を学んでいるかを親が知るために役立つからです。同時に宿題は、子どもに責任を教えることにも役立ちます。“自分の時間を自分で配分して達成する責任”を覚えさせることになります。(p.142)
- フィンランドでは「犬を飼っている人は、子育てもうまい」と言います。お座り、お手、伏せ、待て……など、犬にシンプルなルールを守らせることに慣れているからです。子どもに守らせるルールもシンプルです。特別なマジックなどありません。大事なのは「常に統一性のある注意をする」です。言うたびにルールが違っていては、混乱するだけですから。(p.162)
- 私の学校では、みんないじめと戦いました。いじめと思ったらまず、誰かに報告するというルールがありました。(p.170)