「こころ」の授業

 3組と9組での授業。どちらもほぼ同じ進度だが、9組の方が進んでいる。こちらはついに、Kが夜中に襖を開けて私に声をかける場面まで来た。
 この場面での生徒とのやり取りは面白かった。

問い「なぜKは二尺(約60cm)も襖を開けたのか?」
生徒1「私を起こしたいから。」
教師 「その通りだね。では、起こす前に何をするかな?」
生徒2「私の姿を見るため。」
教師 「その通り。Kは私が熟睡しているかどうか確認していたのだろうね。では、もしこの時私が起きなかったら、Kは何をしただろうか?」

 最後の問いには、私自身が答えた。でも、このようにしてKが襖を開けた理由を生徒と一緒に考えていき、Kがすでにこの時点で自殺することを考えていただろうことを説明していった。このように、生徒の読み取りをふまえつつ解釈していくのはとても良いだろうね。教師が押し付けるのではなく、一緒に解釈していくという姿勢が取れる。
 もちろん、それでも誘導がかなり入っているし、そもそも教師の持っている答えへ誘導しようとしているのが面白くないのだけれど。