東北大学オープンキャンパスの引率

 今朝は6時に新潟駅前に行き、東北大学オープンキャンパスへの引率をする。参加生徒は2年生だけで75名。1年生はもっと多いのだが、別行動である。私と2学年担当の同僚もう一人と引率していった。
 新潟交通のチャーターバスに乗って磐越自動車道を通り、一路仙台へ。往路は非常に順調で、スタートも時間前だったし、途中休憩のSAに着いた時刻も予定より30分以上早かった。こりゃあずいぶん早く東北大に到着するな、と思っていた。だが、問題はいつも安心したところに起きる。我々1号車は医学部のある星陵キャンパスと文系学部のある川内キャンパスを回ることになっていた。そこで、まずは星陵キャンパスへ向かう。ところが、星陵キャンパスに到着し、医学部や歯学部が目の前にある道にバスは入り込んだのだが、この道が大型バスが停まるにはおよそ狭い。そこで、大通りに出るために運転手がバスを移動させた。ところが、その先も狭い道。次から次から狭い道が続く。運転手たちは(二人いたんです)相談しながら運転し、バスを停めてガソリンスタンドの人に道を聞いたり、Uターンしたりして、結局仙台市内をぐるりと大回りして、高速道路から降りてすぐの一度通った道に再び舞い戻ってきた。そして今度は別の道から入り込もうとしたが、また同じ狭い道に入り込んでしまった。さすがに今度はここで生徒たちを降ろし、最初は狭くて曲がれないと思われた道を曲がって、本来の到着場所に難なく戻ってきた。やれやれ、おかげで1時間弱は損をした。もちろん、運転士たちは一生懸命だったので、文句を言うことはできない。みんな無事で目的地に着けただけ良しとせねば。

教育学部を見る

 私は3年前に前の学年の生徒を連れてこのオープンキャンパスに同じように来たことがある。その時は自分が理系の担任だったこともあり、理学部・工学部のある青葉山キャンパスを回っていた。今回は文系学部を見てみようと思い、川内キャンパスの教育学部と文学部を見てきた。どちらも10階以上のビルの、しかも立てたばかりのきれいな校舎であった。その中で、さすがに充実した環境下で学生たちが研究をし、その成果を発表したり、説明したりしていた。教育学部では見るつもりはなかったのに生涯学習課程の学生につかまって、ジェンダーについて考えさせる問題を解かされた。なかなか興味深かったが、与えられたプリントはよけいな情報が多すぎて、問題を純粋に考えにくい。ジェンダーだけでなく、別の要素で回答者を惑わせるなあ。

文学部を見る

 文学部では国文研究室へ。そこでは研究室所蔵の源氏物語絵巻や古写本、明治期の小説の初版本などが展示され、学生が説明していた。定家自筆と伝えられるものもあり、なかなか興味深かった。特に源氏物語絵巻の細部の描写の細かさと美しさには目を見張った。日本の絵画様式は細部の積み重ねだと現代文で扱った教材に書いてあったが、まさにその通りだ。本校の生徒が一人いて、熱心に見学していた。国文学に興味があるらしい。
 そのフロアを通り過ぎようとした時、学生の一人が私に声をかけた。何と、一昨年の卒業生、Hさんではないか。大学生らしく様変わりしたが、元気そうだった。ドイツ文学を専攻したそうな。でも、再来年に国語で教育実習に来るらしい。そりゃそうだ。ドイツ語では教員になれないものね。充実しているようで、なによりである。
 ついでに史学研究室へ。ヨーロッパ史の研究室をのぞいたら、ここでも本校の生徒が教授相手に熱心に質問していた。みんな立派なものである。

帰途へ

 その後は星陵キャンパスへ戻り、医学部を少し見て回った。医学部の方はむしろ文学部よりも見所が少ないように感じた。学生たちが落ち着いているせいか、人数が少ないせいか。
 15:00にキャンパスを出発。川内キャンパスに寄って生徒たちを乗せ、一路新潟へ。午後8時、無事に帰ってきた。いやぁ、大変だろうと思っていたけれど、まだ余裕のある今日の引率だった。昨年の尾瀬への弾丸ツアーに比べれば雲泥の差である。