「死にたまふ母」の授業

 今週は仕事がたまっていて、次々に消化していかなければならず、時々めまいがする。それでも何とかがんばっています。
 昨日は4組、9組で「死にたまふ母」の仮想試験問題作成を行わせた。3組の時とは違い、先に試験問題作成の用紙を配り、「ここに試験問題を作るぞー」とアナウンスをしてから、準拠問題集からの問題プリントを配布して、どんな方法を使っても良いから自力で解け、と指示した。そうしたら、3組では黙々と問題を解くばかりだったが、4組も9組も生徒が活発に活動し始めた。特に9組がすごかった。20分の時間を与えて解かせたが、いきなり席を移動して気の合う者同士で問題に取り組んだり、隣同士で自然と相談したりする動きが見られた。解答を配り、試験問題を作成させた時には、その動きが嘘のように静まりかえり、生徒は黙々と課題に取り組んでいた。うーん、課題設定が明確だと、これほど生徒の動きは違うものか。
 思うに、一般の授業の課題の目的は「試験に出るから」が唯一である。そしてそれが強制力を持ち、生徒は勉強する。だが、この授業は少々違う。自分たちで試験問題を作成し、その問題に自分たちが解答する。そこには自らの作題能力への挑戦と、友人の頭脳に挑戦しようという欲望が強制力となる。従って学習が自然に進む、というわけだ。課題設定の重要さがよくわかる。
 さて、今日の3組の授業である。15分ほど問題作成を続けさせた。しかし、生徒の大半は自宅で問題を作ってきていた。うーん、このあたりが本校生徒だねぇ。そのような生徒には問題をさらにリファインさせる。
 そして問題を回収し、シャッフルした後、生徒に配って問題を解かせる。20分くらいの解答時間を予定していたのだが、生徒は全員10分以内には解答し終えていた。これは自ら読み取った内容が頭の中にしっかり定着している証拠だろう。問題が簡単であるという要素もあるが。問題への感想を書かせて終わらせる。
 次に答案を作題者に返して採点をさせる。そして、答案と先に作っておいた解答例と根拠を書いたプリントを机の上に広げさせて、自分が解いた問題の所へ行って得点や正答を確認するよう移動させる。生徒はわいわいと言いながら解答を確認していた。さらに自分の机に戻らせて、今回の一連の作業を終えての感想を各自書かせる。やれやれ、それでもまだ時間が余っている。仕方なく、他の生徒の問題を自由に見て回るよう指示する。私もようやく生徒の作った問題を少し詳しく見て回った。問題プリントの問題をそのまま使った者が多かったが、中にはよく考えられた問題もあった。さすがである。そして、そのような問題は正答率が低かった。意表をつかれた感じなのかな。
 というわけで、「仮想試験問題作成の授業」は数々の問題作例を残して終わった。夏休み明けには私がもう少し解説を加えておこう。