ありがとう、1年4組!

 今日は今年度の終業日である。大清掃の後は1年4組最後のLHRである。通知表などを渡し、彼らの健闘をたたえる。成績的にも、クラスの雰囲気や人間関係にしても、文句なしのクラスである。こんなに何の心配もなく全面的に信頼でき、誇りと思えるクラスに出会ったのは、あるいは初めてかも知れない。本当に素晴らしいクラスだった。

 暖かさと積極性とが一体化した雰囲気だった。単なる仲良し子よしではない。ハートウォーミングで、そこにいると心が和む雰囲気なのだが、ひとたび取り組むべき課題や行事についての話し合い、授業での発問が与えられると、とたんに高い能力が集結して解答を導き出そうと積極的に動き出す。レスポンスが良く、打てば響くようなクラスだった。今日はどんな音を響かせてくれるのか、どんなメロディを奏でてくれるのか、毎回毎回クラスルームに行くのが楽しみだった。本当に素晴らしいクラスだった。
 その彼らに、ただ感謝の言葉しかない。一緒にいられたこと、一番間近にその姿を見続けることができたこと、私が最も彼らから恩恵を被り、喜びを与え続けられたのだ。ただただ、「ありがとう」というばかりである。その言葉を最後に彼らに贈った。

 最後にクラスの記念写真である。残念ながら、一人が大変な風邪をひいてしまい欠席したが、やむを得まい。写真屋さんを呼んでいたので、お願いして写真を撮る。机を後ろに下げ、黒板の前で全員が整列して、みんなキラキラした笑顔。きっといい写真ができあがるだろう。
 さあ、行くか。と思ったら、やおら級長が私と副任を全員の前に連れて行き、級長の指揮でみんなで合唱してくれた。スピッツの「空も飛べるはず」である。うーん、そう来たか。この歌の歌詞が数日前のSHRで配られていたのは知っていた。しかし、どの場面で使おうとしているのか、全くわからなかった。この歌は、私も大好きなものの一つである。彼らと一緒に、大きな声で歌った。何と素敵なことではないか。歌で大好きな彼らとお別れする。とても素敵なやり方である。いいねぇ。

 幼い微熱を 下げられないまま
 神様の影を 恐れて
 隠したナイフが 似合わない僕を
 おどけた歌で 慰めた

 色あせながら ひび割れながら
 輝くすべを求めて

 君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
 きっと今は自由に空も飛べるはず
 夢を濡らした涙が 海原へ流れたら
 ずっと そばで笑っていて欲しい

 歌い終えた後、何と、私と副任とにそれぞれ花束を贈ってくれた。うーん、これまたやられたね。1年生の担任は今回が4回目だけれど、1年生を終えるに当たって花束をもらったのはこれが初めてだ。何と心優しい彼らよ。ありがとう、ありがとう。
 中には泣き出した女子生徒もいた。うん、感動したよ。私も十分涙もろい人間なのだが、今回は大丈夫だった。できれば笑顔でお別れがしたいからね。でも、泣いてくれたのも嬉しかった。それだけみんながこのクラスを愛したのだ。みんながみんなを大好きだったのだ。ありがとう、1年4組!