『打たれ強くなるための読書術』

打たれ強くなるための読書術 (ちくま新書)

打たれ強くなるための読書術 (ちくま新書)

 「打たれ強くなる」とは自分の頭で問題を考えること、正解のない状態に耐えること、受動的読書ではなく能動的読書をし、本の筆者と対話することなどです。そのための読書術を、これまでの教養主義的な読書論との違いから書き始め、本の選び方、本の買い方、本の読み方、読んだ本の内容のまとめ方などなど、具体的に、詳しく、易しく書いてあります。
 個人的に第八章の「本の読み方ーー段階編」が非常に参考になりました。これは、筆者も参考にした『本を読む本』の段階を踏まえつつ、筆者の段階的読書の方法を解説したものです。

  1. 初級読書−−書いてあることを字義どおり理解する
  2. 分析読書−−切り分ける読書でより深く読む
    • 「事実」と「判断」をカッコに入れる
    • 「推論」と複線思考
    • 「主張」と判断の保留
  3. 比較読書−−他と比べてみて本を位置づける
    • 読書マップを作る
  4. 批判読書

 とくに「分析読書」の方法が、現代文の読解の授業に応用できるな、と思いました。来年度の現代文はこの方法を基にして授業を構想しようか、と思っています。

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)