村上春樹の小説の授業

 ついに村上春樹を教室で教える日がやってきたか。村上春樹の「青が消える」という短編である。これは第2期の作品集第1巻に収録されているもの。なかなか教え甲斐のある小説である。
 今日は8組での授業。まずは音読。音読にはもう少し別の可能性がないものだろうか。目を覚まさせるにはちょうどいいのだけれど。
 次に小説の構造分析に入る。「冒頭部」「展開部」「山場の部」「クライマックス」「終結部」の5ポイントが小説のどこに当たるかを探させる。冒頭部が無くて、すぐに事件が始まるということは生徒は良く分かったようだ。だが、終結部がない、というのは誰も気づかなかった。この小説は決して勢力が反転することはない。しかし、最後の一文では今までの小説の流れに最後の抗いをしているではないか。私の意見では、クライマックスは最後の一文である。よって、この小説には終結部がない。はてさて、生徒は納得したかなぁ。というか、納得させることも大事だが、上記の5ポイントをキーとして、自分自身で小説の構造を分析しようとすることが大切なのだ。