書道部合宿2日目

 私は書道部の顧問だったりする。昨日から書道部は合宿に入っている。高校での合宿なんて久しぶりだから、どのように行動したらよいのかほとんど分かっていない。ただ、私自身は宿泊はしない。何しろ家が近いからね。そして、私を待つ幼子がいるからね。
 その合宿で、今日は午後全部を使って、生徒と一緒に字を書いていた。臨書である。お手本は王義之の「蘭亭序」の最初の四字「永和九年」というもの。何しろ王義之だもんね。そして「蘭亭序」だもんね。書道では行書のお手本中のお手本である。しかも「永」という字は書道の業が詰まった字である。そして又、写真で見る王義之の書は美しいんだ、これが。そこで、この字をとにかく練習する。半分以上休憩したりしていたけれど、結局13時30分から18時までやり続けた。
 書は難しい。写真通りに書こうとするのだが、バランスが悪かったり、変に小さくまとまったり、およそ写真とは隔たりがある。しかし、顧問である専任の講師の方にお手本を書いてもらった後は、実物の字とともに、お手本の字を真似ることができ、また、そのお手本を書いている様子を見て、「ああ、そうすればいいのか」とちょっとしたブレイク・スルーがあったりして、その後は比較的のびのびと書くことができた。もちろん実物を手本としながら、しかし大切なのは字の勢いと自分に勢いではないだろうか。そう思って書いたものを、講師の方がとてもほめてくださった。うーん、人間、自分が努力したことを誉めてもらえるのは、本当に嬉しいものである。俄然やる気になって、さらにどんどん書く。20枚以上は書いたかな。最後の方ではなんだかバランスが悪くなってきた。
 書道は一種の自己修練になるね。自分の好き勝手ではない、ある方法を身につけるためには自己を殺して練習しつづけなければならない。しかし、その成果が見えてくるのが嬉しい。ちょっとはまってきました。今後も書き続けようかな。