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 コンピュータ教育を考える際に、「コンピュータの導入で教育はどう変わるか」という議論が多いが、これはそもそもおかしい。これでは、教育というものがテクノロジーにあわせていろいろ変化するということが前提になっている。しかし筆者が提唱したいことは、そもそもテクノロジーに教育を適合させることを考えるべきではなく、教育にテクノロジーをあわせるべきだということである。つまり、「コンピュータやインターネットを教育にどう活用し、どう教えるか」という観点からコンピュータ教育を考えるのではなく、まず「現代社会において、教育はどうあるべきか」という観点から出発し、そこにコンピュータがどのような形で貢献できるかを考えるのである。
『新・コンピュータと教育』佐伯胖 岩波書店 1997/5/20

大事な視点だ。私が国語教育を情報教育の観点からとらえる際の基本的スタンスとなろう。
しかしこの本は、情報教育の歴史をたどろうと考える私にとっては、基本文献だな。何年も前に買っておいたものだが、自分が必要な時に読むと実に重要だとわかる。