「地域の声を聞く会」

今日、新潟高校で「地域の声を聞く会」と題したパネル・ディスカッションが行われた。パネリストは新大工学部の教授、能開センター新潟県本部の方、朝日新聞社新潟総局長さん、南部郷総合病院のお医者さん(今は新大医学部附属病院におつとめらしい)、そして本校の教務主任の5名である。このうち、新大の教授と医師の方は本校のOBである。学校評議員の方がコーディネーターを務めてくださった。フロアには本校教員はもちろん、PTAの役員の方々(つまり保護者の方々)がおられた。

2時間のパネル・ディスカッションであったが、そのテーマは「新潟高校、ここが問題だ −地域トップの高校での進学実績を問う−」(だったかな?)というもの。でも、実際に話された内容は進学実績がどうのこうのということではなく、なかなか本校の課題を鋭く突いたものとなった。
特に話題が集中したのは、大学教授および朝日新聞の方の発言である。要約すると、新潟高校の教育方針は、良く言えば生徒のニーズ・保護者のニーズに応えるものだろうが、ある意味では独自の教育方針・ビジョンがない、ということだ。有能な人材を教えているのだから、地域にばかり目を向けるのではなく、もっと日本全体、あるいは国際社会全体を視野に入れた人材を育成するためのビジョンを持って欲しい、ということだったと思う。
大学教授の発言の中には、本校の卒業生には探求心・独創力・推論力・思考力が不足している、ということだった。朝日新聞の方も、学力はもちろんのこととして、人間力・リーダー性も伸ばして欲しい、と言われた。

私はこれらの発言を聞いて、非常に腑に落ちた感じがした。そう、本校の課題はそこにあるのだと思う。本校は新潟高校としての具体的なビジョンが弱いのではないだろうか。抽象的なものではなく、具体的にこのような人間を育てる、というものがやや欠けているように思う。
私は、探求心〜思考力を伸ばす授業を行いたいと切望している。人間力を伸ばしたいと思っている。そのためには、例えば学校図書館やネットワークを活用した調べ学習、1年くらいをかけたレポート作成授業などを行えばいいのに、と思っている。しかし、今のところ本校ではそうしたことを実行しようというコンセンサスは得られていない。これには、自分たちはどのような人間を育てたいのか、という具体的なビジョンが弱いせいだろう。

この会はこれで3回目だという。今年のこのパネル・ディスカッションはなかなか良かった。フロアからも多少発言があったし、私も発言したかったが、何しろ1年目だしね。時間もなかったし。でも、良い企画だった。