「ものとことば」の授業

 6組での授業。このクラスは他のクラスよりも1時間ほど早く進んでいる。今日は本文読解の3時間目。1時間目は夏休み前に終わっている。本来はこれを2時間で終わらせようとしていたのだが、無理だったかな。
 本文を大きく4つに分割し、「背景」「問題提起」「本論」「結論」とした。その「本論」と「結論」の部分を、そう考えることのできる根拠を明確にさせながら読み進め、まとめていった。配布済みのプリントに作成した読解問題に答えていく形である。同時に、そうすることによって本文の流れがもう一度確認できるよう意識して、板書でまとめていった。
 生徒は客観的に本文を読み取っていく、あるいはテクストに沿って的確に情報を抽出していく、という能力がまだまだ不十分なのだ、と思った。読み取り方を知らない。評論から情報を抽出するための方法をまだ理解していない。そして、その方法に自覚的ではない。よって、正しく読めている者も、自分の解答には不安げである。
 読み取り方、情報の抽出の仕方をただ教えるだけではダメなのではないか。「こうやって読むんだ」と教師が黒板上でどんなに力説しても、方法は自分自身がやってみて、その有効性を自分自身が確認しなければ役に立たない。ハサミはこうやって使うんだ、と教えることが重要なのではなく、その使い方を知った者が自分で使ってみて、それができるようになることが重要だ。
 国語の授業は実技でなければならないなぁ。美術の授業のように、最初にやり方を示し、それを生徒が選択してやってみて、その成果を確認する。そうした流れで授業は行われていかなければならないのではないか。
 そうした読み取り方に自覚的になるような授業設計が必要である。