「好奇心」と「羅生門」の授業

 授業参観のために公開したのは6組の「好奇心」の授業だった。このクラスは前回の授業がほぼ1か月前という、大変な状況の中での授業だった。そこで、どうしようかさんざん考えた揚げ句、「好奇心」にインフォメーション・ギャップの状況を持ち込んでの協同学習をすることにした。
 まず、40人のクラスを9つのグループにした。1つのグループは4人か5人になる。そして、「好奇心」の内容読解問題を3つの部分に分け、それぞれを×3にして合計9枚のプリントを用意した。これを各グループに配る。こうすることで、問題パート1を持っているグループが3つ、パート2を持つグループが3つ、パート3を持つグループが3つできる。こうしてから次の指示をした。

  1. まず、グループごとに配布された問題を解く。
  2. 4人のうち1人を残して説明役とする。他のメンバーは他のグループへ散って、問題の解答を取材してくる。自分たちが解いている問題についても他の2班に取材をして、他の意見を確認してくる。
  3. 取材した解答を持ち寄り、グループで解答をまとめ、検討する。
  4. クラス全体で解答をまとめる。

これは、自分たちが解いている問題以外の問題と解答を知らない、という状況を意図的に作り出し、それを取材させることによって、問題への取り組みの動機付けを高め、同時に自分が役割を果たすことによってグループに貢献することをさせたものである。また、自分たちが解いた問題についても、他の意見を聞いてくることで新たな視点を獲得するという活動も意図している。
 今日はこれらの活動のうち、1〜3を行い、4の全体でのまとめは最初をやっただけとなった。





 意図した通り、生徒は活発に活動に取り組んでくれた。授業参観においてこうした協同的な学習を見せるのは私にとっては冒険なのだが、でも、単に私が説明するような授業を見せても、私自身は面白くも何ともない。それよりも、生徒が活発に自ら動いて学習する姿を見て欲しかった。そこで、さぼる者が極力出ないような仕組みを用意した。どうやらその意図は当たったようだ。
 参観された保護者の方は、どんな感想を持たれたかなぁ。「何じゃこりゃ?」と思われただろうか。ちょっと知りたいところである。
 9組での授業は、「好奇心」の最後の部分をまとめ、その後に「羅生門」に入った。CDで朗読を聞かせ、点検読書を少しさせた。しかし、本格的な扱いは次時だね。