教務室の座席移動作業

 今日は教務室の座席移動作業が行われる。旧年度の座席配置から新年度のものへと変えるのである。これは全職員が一斉に協力して行う。同時に教務室の大掃除もできる、一大イベントである。
 以前はこの作業は年度が替わって最初の職員会議の日に行われていた。しかしこれは、新任者にとっては酷な日程である。職員会議までの数日間、新任者は自分の席も確定できずに中途半端な気持ちのままで放置される。自分がそうだったので、この日程はぜひ改善して欲しいと要望した。その結果、昨年から年度末のこの日に行われることになったのだ。しかし、考えてみるとこれは、転任者にとってはきついかもしれないね。自分の慣れ親しんだ場所ではなく、見知らぬ場所に変わった後で別れを迎えるのだから。うーむ。でも、仕方がないのかな。それが、転任していく者の宿命である。しかし、自分がその時を迎える立場になったら、果たしてどう思うのかな。
 昨日のうちにかなりの荷造りを終えていたが、午前中に最後の荷造りをし終えて、引っ越しのための万全の体制を整えていた。そして、今年も13時15分開始という時間を守らず、フライングしながらの作業スタートとなった。まずは旧3学年が荷物を廊下に運び出す。その後に新3学年が机の配置を作って、荷物を運び込む。次は新2学年。そして、新1学年は一番最後である。私は3学年から1学年への移動なので、一番早くに動き出し、一番後に作業を終えるという日程となった。まあ、それでなくとも荷物が多いのだから、どうせ遅くなるのですけれどね。
 大掃除をしつつ、合間に国語科のロッカーも移動しつつ、えいやっと作業をこなして、何とか新しい場所に落ち着いた。段ボール箱8個分の本も何とか収まった。まずは一安心、である。しかし、新しい場所は慣れない。私の新しい場所は教務室の一番端になり、教務室全体が見渡せる位置である。そこここに旧3学年の先生方の顔が見える。その姿を見ると、年度が替わってしまったのだなぁ、と実感する。そして、そのことを哀惜する。周りにいる新1学年は、まだまだ慣れていない方々である。さらに明日には転任者もやってくる。一層、慣れていない方々に囲まれる日々が始まるだろう。私は新しい環境に慣れるのが徹底的に遅い人間で、慣れ親しんでしまえば何のことはないのだが、それまでがかなり精神的にきつい日々を送ることになる。新年度はストレスの多い始まりになりそうだ。何しろ、まだ3年生たちが卒業していったことに実感が持てないのである。
 とはいえ、否応もなく新年度は明日から始まる。もう2週間もすれば、私もぐだぐだ言わずに日々を過ごせるようになるだろう。それまでの辛抱である。