自分の仕事の時間が取れない……

 今日から授業はなくなった。しばらくは個別指導の期間である。私は、ようやくたまっていた仕事に取りかかることが出来る。貴重な時間である。
 たまっていた仕事とは、生徒の出願状況の整理である。生徒からどこに出願したかを一覧で提出させている。それをコンピュータ内の一覧表と対応させることと、生徒から続々とメールで届いている受験番号やら受験結果やらを整理し、入力する作業である。もう2週間前くらいに指示が出ていたのだが、特編Cをやっている最中はまったくこれらの作業に取りかかることが出来なかった。ようやくまとまった時間を持てるので、これに充てられるわけだ。やれやれ、他人より2週間は遅れているかな。
 そうこうしているうちに、一般の方から問い合わせの電話が入る。本校は不思議な学校で、時々一般の方から国語に関する問い合わせの電話が舞い込む。先月も、センター試験に出題された漢文で、設問中にあった杜甫漢詩の出典を教えて欲しい、という問い合わせがあった。今日は、若山牧水のある短歌で、読めない熟語の読み方を教えて欲しい、というものだった。その方はかなり年配の方で、死ぬ前にどうしても気になっているこの問題を解決したい、という切実な願いを込めておられた。いやぁ、そこまで言われては必死になって調べるしかあるまい、ということで、小1時間くらい調べてご回答申し上げた。この種の問い合わせは公共図書館こそが請け負うべきなのだが、何故か本校の国語科に舞い込む。いや、それだけ信頼されていることだと解釈しておこう。
 さらに、別の仕事が入って呼び出される。これがまた時間のかかる仕事で、数時間を費やされる。
 その内に学年会が始まった。卒業に向けての大事な会議である。これまた1時間ほど話し合う。などなどと様々な時間を過ごし、机に戻っては自分の仕事をし、その内に質問に来る生徒の相手をし、あっという間に午後7時近くになってしまった。
 そのようにして疲れた体を引きずって家に帰ってくると、妻から、授業がなくなったのに、もっと早く帰って来れないのか、と言われる始末。うーむ。真に休まる場所はなかなか手に入らないなぁ。