「舞姫」の授業:「まことの我」覚醒! ならず…

 1組での授業。5時間目かな。この授業も峰本節炸裂! でした。(^_^)
 今日は豊太郎がベルリンに到着した直後、あまたの景物に度肝を抜き、カルチャー・ショックを受ける場面である。そこは出来るだけ早く切り上げていく。
 それでも、「模糊たる功名の念」の箇所で、なぜ回想の時点で「模糊たる」と書くのかと生徒に問うてみた。明確な解答は得られなかったが、これは「今は『模糊たる』どころか、明確な功名心を持っている」ことの表れでしょう。
 さらに、「ドイツ、フランスの語を学びしことなり。」の箇所でも、外国語が出来たことを自慢ぶっている豊太郎の心理を追求する。これまた、「今は、かつての政治学という面ではなく、語学の面で立身出世を狙っており、単にかつての道を戻っているのではない」という自己弁明でしょうね。
 もちろんこれらは指導書等を参考にしているのだが、どれも納得のいく見解である。こうした、根拠に基づく推測もどんどんさせていきたい。
 そして、今日のメインである箇所、留学3年後の「まことの我」の覚醒の場面へ入る。しかし、結局今日は「我ならぬ我」である「所動的、器械的人物になりて、みづから悟らざりし」の箇所を指摘させ、説明するまでとした。本当は近代的自我の覚醒まで進み、その「近代的自我の覚醒」について生徒の経験をリーダー・レスポンスで書いてもらおうと思っていたのだが。なかなか思い通りには進まない。
 もう少しペースを上げないとね。4月中にエリスが出てこないよ!