「すさまじきもの」の授業

 8組と7組での授業。どちらも「すさまじきもの」の第2段落、「人の国よりおこせたる文の物なき」から始まる部分を扱う。
 この部分はいくつかの重要事項が目白押しだ。

  1. 格助詞「の」の識別
  2. 「こそ〜已然形、〜」の形になる逆接用法
  3. 「京のをもさこそ思ふらめ、」の「さ」が何を指すか
  4. この箇所に表れた、作者の都人意識

これらを、生徒に発問しながら説明していく。こりゃ時間がかかるわけだ。
 8組ではその先まで何とか進み、「人のもとへわざと清げに書きて遣る文」で、「わざと清げに書」く手紙の相手とは作者にとってどのような人物なのかと質問した。生徒は「大切な人」と答えてくれた。非常によろしいのだが、私の質問の仕方がまずかった。最初、この「文」の相手の人は作者にとってどのような人物か、と問うた。そして、「わざと清げに」をヒントにして考えて、と言ってしまった。うーん、このヒントは言うべきではなかった。むしろ生徒にこれを見つけさせるべきであった。そうしないと、解釈の面白さを体感できない。うーん、残り時間を気にしすぎて早めに進めようと思ってしまったのが失敗だった。
 でも、いろいろと解釈できる箇所があるので、楽しい。古典はこうでなくっちゃ。