『すべては音楽から生まれる』

すべては音楽から生まれる (PHP新書)

すべては音楽から生まれる (PHP新書)

 茂木健一郎クラシック音楽に関する思索。脳はその細胞の一つ一つの働きが全体で協働しており、それはまるでオーケストラが交響曲を奏でているようなものだ。と同時に、音楽にはその音が鳴る瞬間に他には得られないたった1回のかけがけのない経験をすることが出来る。脳科学によれば、音楽を聴いている脳は単なる音の連なりを聞いているだけなのに、ドーパミンが放出され、生の喜びを感じる部分が興奮するのだという。音楽が我々の人生に果たす働きについて述べられている。
 筆者自身が書いているように、この本はこうした内容をしっかり分析して述べられてはいない。音楽の果たす不思議な役割について、脳全体が働いて把握しているように、音楽そのものをそのまま全体として提示しようとしているような書き方である。したがって、細かい内容について十分に把握はできないのだが、音楽好きの者としては非常に共感できる内容だ。特にクラシック音楽モーツァルトシューベルトなどを中心に述べられているが、すべての音楽に共通するものであろう。
 この本も速読法を用いて読んだ。新書は速読をして、その内容をとにかく捕まえることを主眼にすると良いだろう。何しろたくさん出版されているからね。