そしてあなたは新潟にいるの……

 10日(木)・11日(金)と書道部の東京研修に同行してきた。いやぁ、暑かった。東京の暑さは普通の暑さではない。なんか異次元の暑さのような気がする。あのような中で日々を過ごしている人々のご苦労が偲ばれる……。そしてあの人だかり。こんな時は、やはり地方都市にいて良かったとも思う。だが、少し足を伸ばせば文化的施設に行くことができるし、様々な勉強もできる。文化という面においては、やはりあの集積度は大きな力を発揮するね。
 今回は10日は上野の書道博物館と青山の根津美術館に行ってきた。11日は上野に戻って東京国立博物館に行った。どれも書を観てくるのが大きな目的である。書道博物館では「千字文」のコレクションが展示されていた。様々な人々の、様々な書体による千字文を観ることができた。なかなか圧巻であった。他に創設者の中村不折の古代中国からのコレクションを観た。いやはや、大したものである。
 続いて青山に移動し、根津美術館に行った。こちらは古筆切の特別展示会を行っており、奈良時代平安時代からの様々な人々の筆と伝えられる書の断簡を観た。これにも圧倒された。何しろ聖武天皇の筆や紀貫之藤原行成、公任、俊成、定家などの手と伝えられる書が目の前に置かれている。これは書道初心者の私であっても、目を見張るばかりのものだった。ただ、眼鏡をかけていかなかったせいか、ここで激しい疲労に見舞われ、途中で音を上げてしまったが。
 東京国立博物館では空海密教芸術の特別展があった。この日の東京はもう朝からくらくらするくらいの暑さである。その中をしばらく並んで入場券を買い求め、空海の書を中心に観てきた。これも空海の書の素晴らしさに圧倒される。私はどちらかというと細い線の文字よりや太い線と細い線とのメリハリのきいている書の方が好ましいようだ。根津美術館でも聖武天皇の書が良いなと思ったが、この空海の書も素晴らしいと思った。他に、仏像も展示されており、その展示の仕方が素晴らしかった。
 その日の午後は法隆寺宝物館を見て回ったあと、神田の知り合いの所に行き、髪を切ってもらった。そして新潟に帰る。いやはや、目の保養になり、体の限界を試される2日間だった。
 その後、妻の実家に帰省する予定だったのだが、子どもが風邪を引いてしまい、足止めを食らっている。そして本日土曜日。我々はまだ新潟にいる。子どもの風邪はむしろ少し悪くなり、治るのにはまだ時間がかかりそうだ。
 そして私はまだ新潟にいる……。