「刎頸之交」および「木曽の最後」の授業

 10組と2組での授業.10組は今年になってから初めての授業だ.昨年末に冬期講習では私は出なかったから,下手をすると30日ぶりの授業,ということになる.いやはや,自分のクラスだというのにお久しぶりでした.
 しかもこのクラスは「刎頸之交」をまだ少しも扱っていない.そこで,今日は「刎頸之交」に至るまでの経緯を十八史略のプリントで解説し,音読をし,重要句法を指摘させる,という内容を扱った.もうこの内容は2組では昨年末の20日前くらいに扱ったものだ.
 2組では順調に「平家物語」を進んでいる.「木曽の最後」の内容に少しだけ入る.まずは「木曽の最後」のあらすじをまとめるプリントの解答を確認し,その後で音読練習をさせる.本当にこの文章は七五調のリズムを主体として,実に読みやすく,格好いい.内容は悲惨なものなのにね.当時の武士にとっても名誉の方が自分の命よりも大事だったのだろうか.武士道というものはいつから醸成されたのだろう.平安時代の武士を「武士道」で理解してはいけないと思うのだが,少なくとも「平家物語」における武士の姿は名誉を重んじるものである.だが,その中にあって木曾義仲は親愛の情の中に生きようとする.だがそれでも,死を求める姿は変わらない.どうもそれが,私には理解が難しい.
 とはいえ,音読をさせた後,三百余騎で甲斐の一条次郎の六千余騎と戦おうとする義仲のこの戦いの意味をまずは説明する.義仲は名誉の死に場所を求めての戦いだったのである.その後で訳に入る.だが,ここでも難関が待ち受ける.それは敬語である.敬語については冬期講習で一通り解説した.しかし,実際の本文読解で敬語を使うのは初めてだ.そこで,まずは口語訳に必要な本動詞と補助動詞の区別をさせる.敬語のプリントを使い,口語訳をする段落の敬語が本動詞か補助動詞かを解説し,その見分け方を少し説明する.だが,昨日も今日もまだ内容に入っておらず,今日はぜひ内容に入って口語訳をしたいと考えていた.そこで,敬語の説明の詳細はまた今度にして,ほんの二行ほどだが口語訳をする.
 2組は明日からスキー教室である.しばらく授業はない.まずは,スキー教室を存分に楽しんできて欲しい.