土曜講習@視聴覚ホール

 土曜講習の3回目になるかな、それが実施された。
 先週は古典で、助動詞の確認テストと解説を行った。今回は現代文である。評論と小説の文章のとらえ方、問題の考え方、解答の作り方などを説明したいと思っていた。しかし、それを教室で行う場合、「問題文のこことそこからこう考えられるでしょ?」と示してやりたいのだが、「ここ」やら「そこ」がどこを指すのかわかりにくくて、いつももどかしく感じていた。もちろん、何行目といえばいいのだが、現代文の読解の場合、そうした音声情報による直線的な理解よりも、文章の紙面を右に左に斜めに横断する空間的な理解・視点の移動が必要である。そこで、プレゼンテーションを行って、文章をスクリーンに大写しし、そのどこに視点を移すべきなのか、そしてその箇所は別のどの箇所と関わりを持つのか、ということを画面を見ながら示したい、と思っていた。それを行うにあたり、どうせなら視聴覚ホールで、でっかくスクリーンに映して、生徒を複数クラス呼び集めて、行えばよいじゃないかと考えたのだ。
 そこで今回は、3クラスずつ(3限は4クラス)を視聴覚ホールに集め、事前に配布して解かせてあった評論と小説の問題について、プレゼンソフトを使っての解説を行った。評論は私、小説は同僚のO先生が担当した。それぞれがそれぞれの持ち味で、評論問題・小説問題のとらえ方と解き方を解説した。実は二人とも、元にしているものは共通しているので、とらえ方は一致している。まず全体を把握すること、そして部分の理解を徹底させること、である。
 全体把握とは、評論の場合、評論の代表的パターンを理解すること、に当たる。要は「二項対立」構図ですね。小説は人物関係の把握である。
 部分把握とは、評論では傍線部とその周辺を良く読むことである。そして同一表現のある別の箇所を探したり、指示語や接続語に注意して説明している箇所を探し出すことである。小説の場合、やはり傍線部を良く読むことから始まる。そして「事態」→「(心理)」→「行動・セリフ」の3要素を意識して、「事態」と「行動・セリフ」で挟み撃ちにしてブラックボックスの「心理」を推測する、という手法を紹介する。ネタは、分かる人には分かるものである。
 しかし、こうしたスキルを身につけさせるということは、必ず必要なことなのだと思う。受験対策というだけでなく、日常生活においても文章を読む際に活用できるスキルであろう。もっとも、受験対策に特化しすぎてはいるけれどね。受験用のスキルを与えるのならば、日常生活用のスキルもまたしっかり与えていなければならない。反省事項だなぁ。
 3回の講義において、どの生徒もかなり真剣にメモを取っていた。そして自分なりに問題について考え直し、問題をどのように解くのかを理解してくれたようである。生徒の真剣な表情が、今回の講習の成功を物語っているように感じた。
 この講習はビデオ撮りしてある。できればYouTubeあたりで公開したいなぁ。