「男は『この男と結婚しよう』と思い……」?

 10組での授業。「筒井筒」の1時間目である。読みの練習等を行い、早速口語訳をしていく。何しろ前期期末考査まであと2時間しかない。試験範囲は縮まったものの、どんどん進んでいかなければ。
 その焦りが出たのだろうか、「女はこの男をと思いつつ」の箇所を訳させた後、省略部分を説明する際に「男は『この男と結婚しよう』と思い」と口走ってしまった。10組の生徒は反応が素直である。他のクラスならこんな場合黙殺されるが、10組は笑い声が広がる。うーむ、これがこのクラスの良さだろうなぁ。こういうつまらないギャグや間違いにも素直に反応できる。また、そうできるクラスの雰囲気ができている。これは立派なものだ。
 思えば、私が担任したクラスはだいたい雰囲気が素直である。そうなるまでに時間のかかった05年度の2年1組や昨年の3年1組などはあるが、それでも私のつまらないギャグにちゃんと反応できている。私があまりにしょうもないギャグを連発するので、これくらいは笑ってあげなくちゃ、という大人の反応ができるようになるのだろう。しかし、それがクラスの雰囲気を暖かくする。素直にする。そうすると、教員の働きかけや教えることが頭に入ってくるのだ。素直に反応できる雰囲気、笑える雰囲気、そして切り替えて真剣に取り組もうとできる雰囲気、それらは学ぶ場において重要な要素である。
 そう考えると、担任の影響力はクラスに対して大きいと言えるだろうなぁ。たとえ授業をもっていない担任でも、SHRやLHRなどでのクラス運営において、そのクラスをどういう方向にもっていこうとしているか、生徒は敏感に感じるのではないだろうか。それがクラスの雰囲気を作る一つの要素である。
 さて、古典の授業は幼なじみの二人の和歌のやりとりまで終わった。この和歌についてはもう少し印象深く取り扱うべきだったなぁ。