伊勢物語の授業

 2組での授業。今日は授業変更があり、授業はこのクラス1つだけ。
 2組は授業再開後初めての時間だったので、助動詞で残っていた「たし・まほし」「ごとし・やうなり」の説明をする。
 これを簡単に終えて、次は「芥川」の文章を使った助動詞の確認をする。本文より12箇所の助動詞を指摘したプリントを配布し、その意味・基本形・活用・訳し方を問うのだ。そして今回は、10分間の時間を与えて解答させた後、生徒を指名して黒板に解答を書かせることにした。訳し方は割愛して、他の3つを書かせたのだ。今まで助動詞の学習をして以来、生徒へ指名することはほとんどなかった。そのため、どの程度彼らが理解しているのかよく分からなかった。生徒が書いた答えを見て驚いた。ほとんど正解なのだ。1つ、完了が強意になるパターンの見分けができなくて間違えたものがあったくらいで、後は全問正解。特に「たり」は存続か完了か迷うところなのに、本文での意味を考えてちゃんと「存続」と答えていた。正直、驚いた。何しろ6日間で助動詞のすべてをとにかく説明しまくったのである。あの非人道的な詰め込み授業だけしかやっていないのに、それでも素晴らしい正答率である。いや〜、恐れ入りました。今度、自分のクラスでもやってみよう。
 心地よい驚きの後、伊勢物語の説明に入る。こういう説明をする時、この学年の生徒は、こちらが話を始めると本当に静かに話を聞いている。つまり、あまり反応がない。顔の表情に変化が乏しい。歌物語や伝奇物語の語呂合わせ記憶法を紹介する時など、他のクラスではほとんど反応がない。そこでつい、「国語教師ってバカだねぇ〜」と自虐的態度を示してしまう。でも、このクラスは少し反応してくれた。笑顔が10数人ほど見えた。いやいや、よかったよかった。