応援歌練習が始まる

 さあ、1年生の緊張の時間、応援歌練習が始まった。本校は3年生が1年生を教えて、応援歌をこの時期に覚えさせる。その際、旧制高校並みに「びしばし」と叩き込む。「返事は押忍!」「声が小せぇ!」と怒号を浴びせかけられ、応援歌を「体に」叩き込む。いやはや、大変なんです、これが。
 でも、今年の3年生は優しいなぁ。我が10組を担当してくれた3年生のリーダーは、「僕の後についてきてください」と、最初は敬語を使っていた。おいおい、そんなのあり? と私などは思うが、何しろ生徒に任せておく。彼らが、いずれ体育祭で1年生をリードしなければならないのだ。ここで3年生自身に苦労してもらわなければ、自分たちの体育祭ではなくなる。
 それにしても、全体として3年生のリードの仕方が下手だなぁ。1年生を2列に並ばせたが、前に男子、後ろに女子であった。これでは、背の高い男子に遮られて、後ろの女子はリーダーの姿が見えないだろう。また、隣同士の間をくっつけたままでいるので、これまたリーダーの指示が通らない。1年生がとまどい、声が出ないのも当然である。
 毎年の繰り返しなのだが、今年は特に、その稚拙さが目立つ。もはやこの「応援歌練習」も衰退する運命にあるのかなぁ。OBの一人としては、寂しいものがある。