『あさきゆめみし』にはまっています

あさきゆめみし 美麗ケース入り 全7巻文庫セット

あさきゆめみし 美麗ケース入り 全7巻文庫セット

 古典の授業では、漢文の漁夫辞が終わると源氏物語「須磨」巻に入る。古典講読でも、今読んでいる「玉鬘」が終わると、漢文を挟んで「夢浮橋」巻を読む。それぞれ私がこれまでに扱ったことのない箇所である。そのため、予習もかねてこの『あさきゆめみし』を再読している。そして、はまってしまった。
 私に自慢できることが仮にあるとすれば、数少ないそれは「源氏物語を原文で全巻読破したことがある」ということだ。その原文の素晴らしさは、読んでいる最中に肌身に感じた。原文で読まなければ味わえない世界が、そこにはある。
 でも、手っ取り早く物語の内容を確認するために、この『あさきゆめみし』は大変に役立つ。そこで私は生徒にも大々的にこれを読むよう勧めている。もう、生徒への貸し出し用に1セット購入し、生徒にこちらから売りつけるようにして貸し出しているのだ。借り受けた生徒からは一様に良い感想をもらっている。本当に、この漫画は役に立つ。ちょっと、登場人物の見分けがつきにくいのが難点だが。でも、源氏物語というのは容貌がよく似ている人がたくさん出てきて、それがその女性に関心を持つ大きなきっかけにもなっているのだから、仕方がないんじゃないかな。
 というわけで、第1巻から再読し、まだ涙を流している。そう、私は『あさきゆめみし』を読みながら泣けるんです。本当に、冗談じゃなく。