更級日記の授業

 8組と7組での授業。8組では「物語」の口語訳を終えて、この箇所でのまとめをした。この話は作者が老年になって日記を執筆している時点から自分の少女時代のことを回想して、その思慮の浅さや、夢のお告げを無視してしまったことが現在の不幸の原因であることを痛感して嘆くという、非常に痛切な想いを吐露する場面である。そこのあたりを出来るだけかみ砕いて解説する。でも、確かに痛切な悔恨を述べているのだろうが、それでも叔母から源氏物語をもらって家へ帰る時の期待感や、源氏物語を几帳の陰で寝そべって読み耽る際の「后の位も何にかはせむ」という想いは本物なのだろうな、と思う。確かに悔いの残る人生だったろうが、それでもその時その時の判断や期待感や幸福感はやはり作者の1回きりの人生で起こった確かな人生だったのだと思う。そうでなければ、このあたりの描写はもっと憂いの残るものとしただろう。そうでなく、生き生きと表現しているところから見て、作者自身も納得しないながらも認めているのではないかなぁ。
 7組はようやくこの「物語」に入った。出来る限り説明は簡略化して早く進むようにして、何とか源氏物語を叔母からもらうところまでこぎ着けた。明日で終わるかなぁ。