卒業生来訪

 この時期は浪人生がよく来訪する。今度の受験のために書類を受け取りに来るのだ。先月あたりからポツポツと懐かしい顔を見ていたが、今日は数人がまとまってきてくれた。彼らは今年1年間、別な意味で苦労を重ねてきた者たちだ。みんなよい顔をしている。充実した1年であったのだろう。もちろん結果が出て欲しいけれど、こうした1年間を過ごしたということが、彼らにとって大きな経験になるだろう。
 幸か不幸か、私は浪人という経験がない。まあ、自らの希望を少なく見積もってきた成果かもしれないけれど、まあまあ自分の思い通りに受験やら就職やらを通り抜けてきた。そのために、早く次の世界に飛び込めたという点ではよかったのだろう。でも、浪人という特別な時間の経験がないのは、少々心残りではある。彼らの、実際の努力に裏付けられた自信ある表情を見ると、そんな時間もよいのだろうなぁ、と思える。
 ともあれ、浪人生の諸君、頑張れよ!