理数科 尾瀬野外観察引率

 理数科は毎年尾瀬に野外観察に行っている。理数特講という授業である。これは1泊2日で行われている。しかし、今年から理数科が2クラスになったため、前半隊は昨日と今日、後半隊は今日と明日の日程で行う。前半の出発と後半の帰途はスタッフの全員が移動するため、引率者は十分にいる。しかし、後半の出発と前半の帰途は引率者が手薄になる。そこで、一緒に行って宿泊する者とは別に、後半隊と一緒に行き、前半隊と一緒にとんぼ返りする人間が一人必要になってくる。その役目を、私が引き受けた。尾瀬は行ったことがないので、せっかくだから今年は尾瀬に行こう、と思った。しかし、いやぁ、予想以上のつらさでした。
 高校を8時頃出発する。貸し切りバスである。途中、高速道路で1回休憩を入れる。その間、プロジェクトXのビデオを見せる。屋久島の原生林を守った話と、トキの人工孵化に挑んだ話だ。いやぁ、いいもんですね。確かにプロジェクトXはいろいろな問題をはらんだ番組だったのだろうが、それでも感動ものである。思わず涙が出て来る。特に、トキ保護センター長となった研究者の方がいい。何十年も一つのことに継続して取り組んだ結果、押しも押されぬ第一人者となった。見習うべし!
 尾瀬の麓のスキー場まで行き、そこでマイクロバス2台に乗り換える。さらに山深く進んで行き、尾瀬ヶ原の入口である鳩待峠にたどりついた。そこで、待機していた前半隊と合流。旅行社の方からお弁当のおにぎりをいただき、さあ食べようか、と思ったら前半隊集合の号令が。ええーっ!? てな感じである。あたふたとおにぎりを口に押し込み、尾瀬に来た証拠にとおみやげを買い求め、あたふたとマイクロバスに乗り込む。私が乗り込んだのを合図に、バスは尾瀬を出発した。鳩待峠の滞在時間は正味15分くらいか。尾瀬に来たのは初めてだったのだが、私の尾瀬のファースト・インプレッションは「バスやタクシーの並ぶ駐車場」と「木材を運ぶヘリコプターの爆音」と「おみやげ屋」である。
 帰りはもちろん同じ経路をたどる。マイクロバスを乗り換え、再び貸し切りバスに揺られる。帰りはバスの中で「ジュラシック・パーク」を見せた。うーん、面白い映画なんだけれど、ちょっと私には刺激が強すぎる。以前にテレビで断片的に見たことがあるので、刺激の強い勘所は大まかに知っていた。今回は、途中まで見ていたけれど、次第に耐えきれなくなり、後は目をつむってしまった。実際、帰りは体調が悪くなった。バスで揺られているのに、映画を見ているために視点が固定されるためだろうか、三半規管がおかしな感覚を受けたせいか、めまいと頭痛がし始めた。帰りは半分くらい寝ていました。
 というわけで、一応無事に高校に帰ってきた。生徒は非常に充実した時間を過ごしたようだ。私と言えば……、あっ! 鳩待峠で写真を撮るのを忘れたよ。
 後半隊の諸君、よい時間を過ごしてね。