山月記の授業

山月記の6時間目(だったかな?)。今日は4段落のまとめと5段落の読みに進む。
まず、4段落の「自嘲」が「自分の才能を生かすことのできない環境にいる自分を情けなく思う」構造であることを確認した。その上で、李徴にとってはそれが、「優れた詩才を持ちながら、虎になったがためにそれを発揮できない自分への嘲り」であることを指摘する。その上で、李徴は自分の詩才について未だ自負心を持ち続けており、それ故に自作を客観的に見直すことができない、つまりは詩人として重要な自己分析・自己省察ができていないことを指摘した。それが袁さんの指摘する「なにか欠けたところ」でもあろうと指摘した。
5段落に入り、まず李徴の言う「だれかにこの悲しみがわかってくれないだろうかと」という「悲しみ」が、3段落の「この気持ちはだれにもわからない」という悲しみとどう違っているかを考えさせた。生徒の多くは「後悔の念」と気づいており、良い読みを示している。その上で、「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」の具体例を探させ、そのために李徴が自らの才能を空費したことに、虎となってからようやく気づいたことを指摘させて、彼の「後悔」の内容を確認させた。
残り時数を考えると、もう少し先まで行きたかったが、まあよしとしよう。