山月記の授業

山月記の授業4時間目。しかし、まだ第1段落が終わっていなかった。そこをさらりと確認し、今日は2段落を中心に読み取っていく。
生徒に質問を2つして、それを板書し、B5の用紙を配って解答させる。それを時間中に集めて生徒の解答を確認しながら、読み取りの不十分なところを指摘したりして、授業を進める。
「袁さんが駅吏の言葉を退けて出発したのは何故か」という質問に対して、多くの生徒が「勅命で、早く仕事を終えたかったから」という解答をしたのに驚いた。勅命は確かに重い使命ではあるが、早く遂行しなければならないものとは限らないだろう。そう説明して、こちらの想定していた「残月の光を頼りにできたから」を挙げた。
さらに3段落の読み取りに進み、李徴が「虎になった気持ちは誰にも分からない」部分について、その李徴の気持ちと「誰にも分からない」という理由を同じ紙の裏側に書かせた。回収して授業は終わった。
生徒の答えを確認したところ、だいたい正確に読み取っている。二,三の生徒が「李徴の高慢な心があるから」という解答をしていて、そのままでは不正確な答えであるものの、鋭い読みだと思った。確かに、「この気持ちは誰にも分からない」という李徴の言葉には、かつての李徴そのままの姿があると思う。
山月記は、この李徴が5段落目で自己分析をすることによって、自分の高慢さに気づいていくという展開をすると考えている。