生徒の短歌秀歌集
昨年暮れに生徒に作らせた短歌を生徒自身に選歌させた。特選歌は+2点、選歌は+1点、逆選歌は−1点で計算する。その結果、以下のような短歌が各ジャンルの特選歌となった。
自然
- 「建設中」巨大な柱伸びていく空をくもらせ心閉ざさせ
- 忙しく白い息吐きチャリをこぐ平野に輝く朝焼けの赤
- かじかんだその手を包む手袋こそわたしを救う冬のヒーロー
- 雨なのか雪であるのか気になって風吹く外にサンダルで出る
恋
- 降る雪に冷えた右手に缶コーヒー君の左手あたためるため
- 君見せた意外な表情離れない好きじゃないのに。嫌いじゃないけど。
- また逢いたい笑った君と桜の花 木は芽吹くのに笑顔は枯れる
- さよならと自分の心に嘘をつく笑顔をあなたに残したいから
友・家族
- レギュラーをとってはにかむ友だちへ返す得意の営業スマイル
- 「よしやるぞ」意気揚々と部屋に行く やる気だけなら人の3倍…
- 「ごめんなさい」そのひとことが照れくさく部屋から出られぬケンカ後の朝
学校生活
- 「県(大会)へ行こう」仲間と誓った最後の試合悔し涙を汗と偽る
- あと7分針の居場所を追いかける暮れの教室西日が満ちる
- 光合成できたらどんなに楽だろう雑草見下ろす疲れた自分
社会・進路
- 悩み抜き自ら選んだ進む道どこを向くかで景色は変わる
- おばさんを少女に戻すペ・ヨンジュン テレビの前で胸ときめかす
- あの人の進路を知って悩み抜く恋か夢か重さは量れず
バラエティに富んだ選歌結果である。私の選歌とは少々異なっているが、生徒の選歌は良いセンスである。