アクティヴ講義室での授業

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 授業開始2日目。今日は1年生の教養Ⅰ(国語)と2年生の言葉指導法Ⅱがあった。教養Ⅰ(国語)は昨年までの授業を大改革して、ライティング・ワークショップを全面的に行うことにした。こちらは大きな出来事なのだが、今日はもう1つの授業のことで「なるほどな」と思ったことがある。
 それは、2年生の授業のことである。言葉指導法Ⅱは3クラスある。昨日は2クラスがあったが、今日の4限は残り1クラスの授業があった。新校舎の2階にはアクティヴ講義室というものがある。上の写真の部屋がそれである。従来の講義室のように、机が縦列に並んで配置されているのではなく、写真のようにアイランド状に配置された講義室だ。私は実は、3クラスともこうした形の部屋を希望したのだが、この講義室は人気らしく、当たったのは金曜の4限という、授業者にとっても学生にとってもヘトヘトな時間帯の授業1つだけだった。それでも、きっと使い勝手のよい、楽しい授業になるだろうと期待して臨んだのだった。ところが、期待に反してずいぶんダメダメな授業になってしまった。
 原因は何だろうと授業をしながらいろいろ考えていたのだが、1つ気づいたことは、こうした講義室の形態と今日の授業の内容とのミスマッチが原因ではないか、ということだ。今日の授業は、昨日の2クラスも同様に、説明が主体のものであった。今後の授業全体の説明をした後は、幼稚園教育要領と保育所保育指針の中の領域「言葉」の内容を確認していく、という内容だった。1コマの中でとにかく内容を押さえておこうとするものだったから、いきおい私の解説ばかりが続くことになる。その中で、学生たちはアイランド状に配置された机に座り、スクリーンに映し出される解説のスライドを、体を後ろにひねりながら見なければならない。疲れて前に体を戻せば、そこには親しい友人の顔が見える。ということで、次第次第に私語が始まり、それが抑えきれないレベルにまで達してしまったのだ。うーむ、これは学びの場の形状と学びの内容とがミスマッチしたのだな、と考えた。
 アクティヴ・ラーニングがかまびすしい昨今、こうした形状の講義室を備える学校も今後は多く出てくるだろう。しかし、こうした学生同士が顔をつきあわせる場において、今までの講義中心の授業はとうてい成り立たないことがよくわかった。今回のような内容の授業を行うのならば、この部屋の机は真ん中から切り離して、長机に変形することができるのだが、そうするべきだったのだね。
 立派な部屋だが、それにふさわしい内容の授業が必要だ、ということだ。または、授業の内容を踏まえて、机の形状を変形すべきだ、ということもわかった。これも、教授方法の実践知の1つである。