口語訳の基礎を繰り返す

 今日の授業は古典が1コマ、現代文が3コマの合計4コマである。私の時間割は、この4コマ授業の日が3日ある。早速その1回目が月曜日だ。なかなか疲労を誘う時間割だ。
 古典は枕草子の「すさまじきもの」の口語訳に入った。音読をさせて読みを確認させた。続いて「すさまじ」の形容詞の意味を確認させた。無論「興ざめだ」という訳が一般的であろう。だが、その「興ざめ」とはどのような感情のことか、よくわからないのではないか。そこで、「興ざめ」とはどういうことかを生徒が持っている古文単語帳で確認させ、さらに枕草子の「にくきもの」のプリントを配って、「にくし」という感情との違いを考えさせた。これは新潟高校でも行っていなかった活動である。その後で冒頭の部分について一人の生徒を指名して音読させ、口語訳させた。この生徒が絵に描いたようにうまく訳せない。これは好都合だと思い、口語訳の基礎を確認させる作業に取り組んだ。まずは訳そうとする部分を単語に切り分ける。そしてその単語の意味を一つずつ理解する。そしてその意味を積み上げて訳文とする。愚直な「直訳」方式である。だが、古典はこれが一番大事だと思っている。かっこいい訳など必要ない。直訳で意味さえ分かれば、後は内容を理解すればよいわけだ。ただ、これを始めたために、結局その生徒一人に指名した部分までしかできずに授業が終わってしまった。次はスピードアップもはかれる方法を考えよう。
 現代文は河合隼雄の評論文を読み進める。2時間目は文章の要約をさせる作業である。そのために、文章全体を3つの意味段落に区切らせる作業をさせる。意味段落に区切るための方法を教え、実際にやらせてみる。その後で隣同士で結果を確認させ、最後に私が説明しながら切り分けていった。続いて意味段落の一つ一つから中心となる部分を取り出させる。これもまずその方法を説明し、実際にやらせ、隣同士で結果を確認させ、最後に私が説明しながらまとめていった。3つのクラスとも、第2段落までは何とか説明できたが、最後の第3段落を残して授業終了となった。意味段落の切り分けと、その中心部分の抽出は要約作成のために必須の作業である。これに習熟して欲しい。4限目と5限目では居眠りをする生徒が出始めた。うーむ、作業が単調なのかな。居眠りにはいろいろな原因があろうが、授業が詰まらないということが一番大きな原因だと思っている。疲れていても、寝不足でも、授業に興味が持てれば生徒は居眠りしないものだ。今回は活動を増やしたつもりだが、まだ何か足りないのだろう。まだまだ工夫のしどころがありそうだ。