『ウェブで学ぶ』

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

 梅田望夫氏の本の最新作である。オープン・エデュケーションの現在の動向と、その意味、今後の影響について記されている。この本は、今読んでいる最中なのだが、非常に刺激的である。また、私の進むべき今後の方向性を大いに示唆してくれて、非常に興味深い。
 愚かなことであるが、私はまだ大学院での研究指針を絞りきれていない。最近の興味・関心は読書教育にあり、リーディング・ワークショップの本を読んだりしている。だが、修士の時に研究していた情報教育の観点から見た国語科指導の方向性もなかなか捨てたものではない、と思い始めている。国語科と情報教育との関連は、特に高校段階での研究はあまり進んではいないそうなのだ。しかし、今後それはどのようであるべきなのかは、大変重要な問題であろう。
 もちろん、読書教育という方向性も今後必要になってくるものであり、その重要性も全く変わらない。だが、最近はリーディング・ワークショップやライティング・ワークショップがある程度の一般的な認知を得てきて、今後の伸びが非常に期待される。そんな中、私にとって全く新たな分野を進めていくよりも、ある程度でも研究してきた分野をさらに進めた方が良いのではないか、と思い始めたのだ。もちろん、この二つは私の中では連続しているのだけれどね。
 そんな状態の私にとって、この本は非常に示唆的である。情報教育と国語科との関連は最近また少し変化があるようだ。以前よりももっと「ITを活用した国語科の授業」の在り方が推奨されている。これには少し驚いた。私の以前の研究は、ITを使わない形での国語科授業の在り方についてであった。ITを使う授業にはどのような形が考えられるのか、そんなことを考えるのに、この本は最先端の姿を示していてくれて、興味深い。
 とはいえ、もうすぐ10月だよ。大学院に入学して半年、そろそろ研究の方向性を定めたいものだ。