静寂の中で篳篥が響く……

 3組での授業。私が出ている3クラスの現代文の中で、一番乗りの良いクラスだ。この「『羅生門』をグループで読む!」授業でもそのノリの良さは遺憾なく発揮されたクラスである。そのクラスでの8時間目の授業であった。
 他のクラスと同様、まずはアンケートを行う。これで3クラスが出そろった。分析するのが楽しみだ。私の予想を見事に裏切る高評価である。この3組では常にグループでの話し合いが活発に進んでいたので、評価はもう少し良いかと思ったが、たの2クラスとほぼ同じくらいであった。印象としては「まあ良い」の方が多いかな。これもまた不思議である。
 その後、ファイナル・レポートを書かせる。その間、またしてもBGMをかける。2つのCDを示して選ばせたところ、「ちょっとひとりKOTO2」の方が多かったのだが、もう1つのCDへの希望も熱かったので、両方かけることにした。それはこれ!

TOGISM 2

TOGISM 2

 いやはや、東儀秀樹篳篥の音があんなに物書きの空間にマッチするとは思わなかった。朗々と響く、どこか切ない篳篥の響きが教室空間に吸い込まれるように消えていく。その余韻が想像力を刺激する。いい音楽だ。新たなBGM候補になった。
 さて、その3組だが、昨日の教訓を生かして「できるだけこの時間内に提出すること」を強調した。そのせいだろうか、「40分間の時間をあげるので、自由に使うように」と指示したにもかかわらず、クラスは静まり返った。最初こそ周辺で話をする姿が見られたものの、しばらくしたらひたすら鉛筆を走らせる姿のみとなった。時に隣の友人とひそひそ話で書いている内容を確認する者もいる。配布した今昔物語集のプリントを一新に読んで、違いを確認しようとする姿がある。そして静かに鉛筆を走らせる。いやはや、このクラスにしては表面的にはちょっと意外な、しかしよく理解できる、静寂の姿であった。
 時間内に提出した者の数もそう多くない。彼らはさらに集中して、良い作品を仕上げてきてくれるだろう。非常に楽しみな最終時間となった。