「責任と赦し」の授業

 1組での授業。「責任と赦し」の要約文作成の続きである。時間がなくタイトな展開だったが、何とか全員に要約文を作成させ、提出させた。完成できない者もいたけれどね。
 まず、生徒を再びグループに組ませ、そしてこの文章の中で一番大事な段落はどこだったか聞いた。全てのグループが第14段落と答えた。OK。さらにその中で重要なフレーズはどこかを指名して聞いた。2通りほど出たが、どちらも同じことだったのでOK。
 次に、この文章全体の問題提起は何か、と質問し、グループで話し合わせた。全グループに聞いていくと2通りの解答を得た。第14段落の「現代社会では責任が破壊されている」という箇所と、第1段落の「人は責任がない状態から責任がある状態へと移り変わるにはどうしたらよいか」という箇所の2つである。グループで発言させた時は後者の方が数が多かった。しかし、全員に挙手させてどちらが適当か聞いたところ、前者が圧倒的に支持された。OK。後者は「……というのが芹沢さんの問題である」と書いてあるからね。筆者の問題意識ではない。
 では、「現代社会では責任が破壊されている」という命題と「赦しを再確立することが責任の回復には必要だ」という14段落の内容とをつなげるのには欠けたものがある、と話す。「責任」と「赦し」との関係ですね。それを書いてある箇所はどこか。また、責任が回復した後、どうなるというのか。その2点を本文から探して、以上の4点で要約文が完成できると説明する。その後は、新たな2点をグループで探させ、各自で要約文を作成させた。
 このように、要約文に必要な項目を大まかに指定し、それに対応する内容を本文から探させ、さらにその項目の組み合わせを工夫して要約文を作成するという方法は、要約文作成の練習にはいいのではないかなぁ。そして、これを繰り返し経験させる必要がある。また、これらの作業にグループ作業を取り入れるのも有効だと思う。自分が読み取った項目の是非をすぐにメンバーに相談できるものね。
 最後はグループ内で要約文を回覧させ、友人のまとめた表現を確認させた。これは必須の作業であろう。教員のアドバイスよりも、友人の作例の方が遙かに自分の文章の修正に生きる。その後で、私の作例を紹介した。