山月記の授業

 今日は3組での授業のみ。この土曜日に青陵祭が行われるため、今日から金曜日まで授業は午前中3コマとなる。午後からは青陵祭準備である。
 3組では第5段落の、李徴が「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」を説明する部分から入る。そして、虎に変身するまでのいきさつ、さらに自らの才能を空費してしまったことを後悔し、しかし今となってはもはや手遅れになってしまったことを確認する。そして、その悲しみを訴えるために月に向かって吠えることが、虎となった李徴に残された自己表現の唯一の手段であることに気づかせ、しかしその吠え声は他の動物たちを恐れ縮み上がらせるばかりであることを確認し、それが人間だった頃の人々の態度と同じであることを説明する。さらに、「この気持ちはだれにも分からない」に込められた李徴の内心が第3段落の段階から変化していることに気づかせ、李徴の内面が深化していることを指摘する。そこで、この第5段落こそが、しかも月に向かって吠える場面こそが『山月記』のクライマックスであることを説明する。
 少々飛ばしてしまったところもあるが、生徒に指名して確認しながらこれらの内容を説明していった。果たして分かってくれたかな。