『こころ』のまとめ

現代文の最後の授業が1つあった。『こころ』の小説の最後の2章を読ませ、「明治の精神」と殉死するという先生の自殺についていくつかの説明をした。その後で、乃木大将の妻の名前と「奥さん(お嬢さん)」の名前が同じであることを指摘して、そこに込められた漱石の意図を考えさせ、また、小森氏の説などを紹介した。
それらの後で、『こころ』の授業の感想やら、1年間の現代文の授業の感想やらを書いてもらった。生徒は『こころ』の授業について一様に強い印象を持ったようである。特に、夏休み中に文庫本で全体を読ませて、レポートを書かせているので、その時の自分の読みと授業での読みとの違いにハッとする者が多いようだ。これは、こちらの意図通りだった。
授業の感想では、プリントが好評だった。また、私の、小説になると「熱く」なる語り口についても多く言及されていた。まあ、記名アンケートなので、滅多なことは書かないだろうが、それでも参考になる結果である。