書き込み回覧作文が楽しい

 今日の午前中は、昨日に引き続いてロイロノートを活用したスライドショーの製作の授業を行いました。今日も数々のセンスあふれる作品が生み出されて、さすがに本学の学生たちのポテンシャルの高さを感じました。私が指示をしていないのに作品に音楽をつける機能を発見した学生がいて、その機能を使ってスライドショーを作ってくれました。これがなかなか映像と合っているのです。センスがいいなぁ、と思いました。
 さて、今日の午後の授業では、先日、学生たちに自分の姓名の漢字を調べさせ、さらにその成り立ちを用いてお話を書かせたレポートを友人同士で読みあうことをさせました。元ネタはこの本です。

漢字と遊ぶ・漢字で学ぶ (楽しい国語)

漢字と遊ぶ・漢字で学ぶ (楽しい国語)

 その際、京都橘大学の池田修先生が開発した「書き込み回覧作文」方式を用いました。池田先生もご自身の大学の授業で行われ、その効果を確認しているようです。私は、高校教諭時代にはこの方式をよく使わせてもらっていました。生徒たちに書かせた感想なり作文なりをクラス全体で回し読みできるようにしていました。その時の生徒たちの反応がとても良かったのをよく覚えています。しかし、大学の授業でこれをやってみることは思いつきませんでした。しかし、池田先生が大学の授業でも行っていることを知り、自分でもやってみようと思い立ったわけです。いやぁ、池田先生、いつもお世話になっております!
 今回の場合、何しろ70人くらいの学生がいる授業です。全員の作品を読みあうことはできません。そこで、4列に並んでいるその列ごとにぐるぐる回覧するようにしました。そして一つの作品に対して1分間で読んでコメントを付けさせました。これを10分間続けます。すなわち10人分の作品が読めるわけです。進めていくうちに学生も慣れてきますので、1人あたり50秒間くらいにしてスピードアップを図ります。10人分を読んだら逆回転させて、自分の作品を手元に戻します。この時、自分の作品につけられたコメントを読むのが楽しいんですよね。学生たちも作品が戻ってきた時の表情がとても楽しそうで、よかったなと思いました。
 「書き込み回覧作文」は大学の授業でも活用できます。これからも場面に応じて活用していきたいと思います。

ロイロノートによるスライドショー作成の授業

 今日の授業では、先週に引き続きロイロノート・スクールを活用しました。今日は、先週学生たちに考えさせたことの実践編として、学生たち一人一人にロイロノートを使ってスライドショーを製作させました。ただし、先週も確認させた通り、「子どもの言葉の発達を促す」工夫を凝らすことを求めています。

 次のように授業を進めました。

  1. 写真を撮る際のテーマを決める
     撮影範囲は校地内周辺まで
     30分以内で行って、撮って、帰って来られるようなテーマにする
     対象は物・人など
  2. 30分間で自由に写真を撮ってこさせる
     下のように学生は自由に写真を撮ってきます

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  3. ロイロノートで、撮った写真を相互につなげたり、コメントを書き加えたり、言葉掛けの画面を入れたりする
  4. 作品を提出し、全員で鑑賞する

 学生たちは、写真を撮っている時も楽しそうにしていましたが、製作の段階になると一心不乱に取り掛かってくれました。彼らはさすがだなと思うのですが、言葉かけの文字を入れたり写真にコメントを書き込んだりするのに、ほとんどはキーボードを使いません。手書きでどんどん書いていきます。当然、お絵描きもどんどん取り入れていきます。結果、とても温かみのある作品が次々にできてきました。いやぁ、これは面白いですね。

 惜しむらくは、写真撮影と作品製作に時間が取られて、学生同士で互いの作品を十分に鑑賞できなかったことです。私のiPadからは学生の作品がいつでも見られますので、来週以降に学生たちに折をみて見せていこうと思います。

 今回は2回のみのロイロノート活用でしたが、まだまだいろいろなことができそうです。

 

 

模擬授業の実施

 今日は県内の某高校に行って模擬授業を行ってきました。高校の進路指導の一環として、様々な分野の大学の授業を体験させる企画があり、幼児教育の分野の講師として行ってきたのです。幼児教育の分野に集まってくれた高校生は38名。まあまあ多い人数で、嬉しかったです。
 私の講義題は「子どもの言葉の発達を考えよう」としました。そして、1年生向けの授業、言葉指導法Iで行っている内容の初めの部分を用いて90分の授業の仕立て上げました。
 前半は、我々人間がこの世に生まれてからどのように言葉を獲得していくのか、その初期の段階を取り上げて、「産声」→「クーイング」→「喃語」→「反復喃語」→「一語文・二語文」と発達していく、その過程をビデオの例を見せながら考えてもらいました。そして、何よりも気付いて欲しいのが、「子どもは有能である」という視点です。赤ちゃんはクーイングや喃語を通して養育者とコミュニケーションをとろうとします。立って歩いたり、言語を発することができない赤ちゃんは「無能な存在」だと思いがちです。しかし、彼らは周囲の養育者とコミュニケーションをとろうとします。その事実を高校生たちに気付かせ、その視点を持って幼児教育の何たるかを理解して欲しいと考えています。
 後半は、ある事例を取り上げ、そこに出てくる2人の保育者の対応について小集団で考えさせるグループワークを行いました。事例には保育者Aと保育者Bが出てきます。この二人の対応の良い点と悪い点をそれぞれ考えさせました。次のようにして進めました。

  1. 4人1組のグループを作ってもらい、それぞれに模造紙1枚とマーカー、ピンクとブルーの付箋を配る
  2. ピンクの付箋には保育者A・Bの良い点を、ブルーの付箋には悪い点を生徒一人一人に書かせる
  3. 一人一人の付箋を模造紙上に保育者A・Bに分けて貼り出させる
  4. 似た意見が書かれている付箋をまとめさせる
  5. グループにまとめた意見を枠で囲む
  6. その意見グループに適当なタイトルを付ける
  7. 保育者Aの良い点・悪い点、保育者Bの良い点・悪い点ごとに、重要なものを1つずつ選ぶ
  8. 授業全体のふりかえりを書く

 要はKJ法の応用ですね。特に、同じ意見をまとめたグループにタイトルを付けるのは、今回初めてやらせてみました。生徒たちはわいわいとしながら、適切なタイトルを付けていました。
 本来ならグループごとに発表させたり、書いてもらったふりかえりの1つ1つにコメントを言おうかと思っていたのですが、全体的に時間がなりなくなってしまい、それらは割愛しました。その点が少々不十分でしたが、全体的にはよい流れができた授業でした。生徒たちが書いてくれたふりかえり+授業の感想を読みましたが、どれも好意的なもので、嬉しかったです。
 授業が終わった後、かつて同僚だった先生がたまたまこの高校におられて、久しぶりに旧交を温めました。

リーディング・ワークショップの公開講座

 今日の午後は待ちに待ったリーディング・ワークショップの公開講座を開催しました。『「読む力」はこうしてつける』や『理解するってどういうこと?』『算数・数学はアートだ!』などの著者・訳者である吉田新一郎さんをお招きして、3時間のワークショップをしていただきました。参加者は31名。新潟県内はもちろん、東京や福島からもおいでいただいて、一緒にワークショップを体験していただきました。
 初めに、本を読むことについて、子どもの時、小学校低学年、中・高学年、中学生、高校〜大学、大学卒業後などの時点でどのくらい好きだったかを、教室の端から端を使って参加者が移動していくというワークをしました。これは面白かったです。学校教育という者が与える影響が如実にわかります。
 続いて、4人程度のグループに分かれ、各自が持ち寄った「他の人にお勧めの1冊」をグループ内で紹介しあいました。私も一緒に参加し、3人のグループの中に入ってお互いに本を紹介しあいました。
 そして最初のワークです。吉田さんが持ち込んだ『てん』を使って、考え聞かせの実際、紹介文の作成などをしました。各自が考え聞かせを書き、それを回し読みしてシェアしました。
 次に8種類の絵本を使ってのブッククラブを体験しました。私も参加し、『たまご』という絵本を選んで自分でひたすら読み、その後で同じ絵本を選んだ3人とブッククラブをして感想を話したり、解釈を紹介しあったりしました。
 最後に吉田さんからリーディング・ワークショップの理論について、説明をしていただきました。その中で、「自分に合った本を選ぶこと」「自分が書きたい題材で書くこと」がいかに読むこと・書くことの能力を発達させるかをまざまざと考えさせられました。
 講座の内容をあまり詳しく描写するのはかえって本質を見誤るような気がするので、この程度にします。終わってみての感想は、「思い切ってこの講座を立ち上げてよかった!」に尽きます。本当に期待以上に満足のできた内容のものでした。参加者のアンケートを読んでも、ほとんどの方から満点に近い高い評価を得ました。
 今度はライティング・ワークショップをテーマに講座を開きたいですね。

ロイロノートを使った授業

 昨日と今日、2年生の授業でiPadを保育の現場で活用する方法を学生に考えさせる授業を行いました。その際、これまでにも幾度か紹介してきました「ロイロノート・スクール」を活用しました。
 学生にiPadを一人1台ずつ渡します。3クラスで実施しましたが、1クラスの最大人数は47名です。そこで、それに対応できるiPadの台数が必要になるわけです。この点では本学の環境に負うところが大きいです。
 そして、学生に次の課題を提示しました。

1.iPadを保育の現場に持ち込んだら、どんなことができるでしょうか? 自由に考えてみよう!

 これに対する学生の考えを、ロイロノートを使って書かせました。それを提出させたら、学生の考えを一覧表示して、他の学生にも参考になるような回答を探してクローズアップします。

 これは、見学してくださった先生が撮影してくれた、学生の回答を一覧表示した画面です。ロイロノートでは、学生一人ひとりが自分の回答を提出すると、リアルタイムで一覧表示することができます。次々と学生の回答が増えていくと、「おっ、答えてるな」というのが一目瞭然です。学籍番号も表示されますので、誰が回答しているかもとりあえずわかります。サボることはできません。学生たちもせっせと回答を提出してくれました。
 私が取り上げた回答は、

  • アプリを活用する
  • 写真・動画を撮影する
  • お絵描きをさせる
  • デジタル絵本を作らせる

などです。
 次に第2の課題です。

2.(子ども、または保育者)がiPadを持って外に行き、カメラで写真を撮ってくるとしたら、どんなテーマにしますか。

 様々なことができるiPadですが、2回しか授業で扱えないこの場面では、全員が同じ使い方に挑戦してみるのが良いと考えました。そこで、「写真を撮影する」という使い方を取り上げ、どんなテーマで写真を撮らせるかと考えさせました。
 まず、私が考えた例を提示した後、またしてもロイロノートを使い、各自の回答を提出させました。この提出先を授業中にすぐに作るのができるのが良いですね。前もって作っておくこともできるのですが、初期画面がゴチャゴチャするので避けました。
 学生の考えた回答です。私のアイデアをはるかに凌駕します。さすがです。

  • 色(赤いものなど)
  • 「あ」のつくもの
  • お母さん
  • 笑顔
  • 標識

 最後に第3の課題です。

3.(子ども、または保護者)が撮ってきた写真を活用して作品を作る際に、この活動を通して「子どもの言葉の発達を促す」には、どうしたら良いでしょうか?

 この授業は、決してiPadの使い方を教える授業ではありません。言葉指導法です。そこで、撮ってきた写真を用いてスライドショーを製作するという活動を通して、子どもの言葉の発達を促す工夫を考えさせました。
 これも、私が考えた例を提示した後に、学生にロイロノートを使って回答をさせ、提出させました。次が学生の回答の一部です。彼らの考えは本当に柔軟です。素晴らしい!

  • しりとりができるようにする
  • 歌の歌詞に合わせて写真を当てはめる
  • 「この猫さん、何か言っているみたい。何を言ってる?」大喜利大会
  • 白黒写真にして色を当てる
  • 何枚もの写真からグループで協力して種類分けする
  • 写真を五十音順に並べて五十音の表を作る
  • 写真を組み合わせてみんなでオリジナルの歌を作る

 学生らしい柔軟で新鮮なアイデアがいっぱい出て、とても楽しい授業となりました。学生たちも、友人のアイデアの多様さ・柔軟さについていけない!と感想を寄せるなど、さまざまなアイデアを交流できたようでした。
 驚いたのは、学生たちのiPadやロイロノートに対する適応力の高さです。私がロイロノートの使い方を少し教えただけなのに、彼らは早速お絵描きをしてみたり、絵文字をスタンプしたりして、回答にも絵を添えたり絵文字を入れたりしていました。さすがは若者たち! こうした機器は学生たちのポテンシャルをどんどん引き出してくれそうです。
 来週は、学生たちにiPadを1台ずつ持たせて、実際に写真を撮ってスライドショーを作らせようと思います。

公開講座迫る

 今週の土曜日(7月2日)に、公開講座がいよいよ迫ってきました。講師の吉田新一郎さんといろいろやりとりをして、講座の準備を進めています。同時に、今週の授業では、iPadを保育の現場で活用する方法を考えさせようとしていて、その準備にも大わらわです。暑くなったり涼しくなったりする不順な天候の中、体調管理にも気を遣いながら、何とか過ごしています。
 公開講座には31名の参加者が来てくださいます。31名! いやぁ、素晴らしい。目論見としては40名を超える方が来てくれるといいなと思っていましたが、31名も来てくださるなんて、本当にありがたいことです。しかも、新潟県内の方ばかりではありません。県外の遠くからわざわざ足を運んでくださる方もおられます。本当に嬉しく思います。
 そうした方々の期待を裏切らない、素晴らしい内容になると自負しています。一緒に、楽しく読む力をつける学び方を体験しましょう!
 もし、興味を持ってくださる方がおられたら、私宛にご連絡ください。追加の参加手続きをとります。

1週間が終わる

 今日で1週間の仕事が終わります。この1週間はいろいろと振り回された週でした。月・火と実習の巡回に行ってきました。なかなか楽しい経験でした。昨日はロイロノートの使い方について、大学の担当者と一緒に検証し、これは便利なものであることを確認しました。今日は1年生の教養?(国語)の授業があり、自分の姓名の漢字について調べさせ、その内容を参考に小さなお話を書かせました。なかなか面白そうな作品が出来てきて、これも楽しみです。
 以上、いろいろな出来事があったのですが、何だかひどく疲れた感じがします。体調が悪いのかな。また、事務作業をかなりいろいろとしていたからなのかな。単純に授業が少なくて、それで心に張り合いがないからなのかな。ともあれ、1週間が終わります。でも、どうも気が晴れません。
 せっかく2年生が実習に出ており、授業が少なくなるのだから、やっておきたいことはいろいろあったのですが、あまり十分に進まなかったのが原因でしょうか。うーん、サボっているつもりはないのだけれどなぁ。作業の優先順位や段取りなどを見直して、もう少し生産性を上げていきたいものです。
 7月2日(土)には楽しみにしている公開講座がいよいよ開催されます。この準備のためにもいろいろ手を尽くしています。幸い、受講者は29名になったようで、教室に溢れるばかりとはいかなかったものの、最低開催人数は楽々と超えることができました。様々な皆様のご協力の賜物です。本当にありがとうございます。参加してくださる方は、7月2日にご期待ください! 期待を裏切らない講座になることを確信しています。