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素話の実践の授業

 昨日と今日と言葉指導法2では素話の実践発表を学生にさせました。先週、素話について説明・実演し、今週までに素話を1つ用意してくるようにと伝えておきました。今日は、その実践発表です。
 学生を3〜5人のグループにさせます。そのグループ内で素話を発表し合います。学生には評価用紙を渡し、自己評価と相互評価をさせます。5つの観点を設け、それぞれにつき5段階評価するようにさせました。

  1. 言葉の聞き取りやすさ
  2. 声の大きさ、抑揚、声色など
  3. 間の取り方
  4. 聞き手を見て話していたか
  5. お話の内容を伝えることができたか

 以上の5観点です。これに加えて、振り返りを自由に書かせます。
 素話をさせる前に、大事なことを学生に伝えました。過去2年間、この実践発表をやらせてみて、痛いほど身にしみたことです。何も言わずに学生たちにこの素話の相互評価をさせると、聞いている学生たちはまず間違いなく鉛筆を持ち、評価用紙か先週渡した素話の原稿に目を落とします。素話をしている友人を見ることなどほとんどありませんでした。これは全くもってナンセンスです! 素話は語ってくれる人をじかに見て、その口から紡ぎ出されるお話の身体性、即興性、即応性を味わうことに意義があるのですから。その語り人から目を離すなどナンセンスです。しかし、何も注意しないと、学生たちはお話の展開や評価のことが気になって、顔を上げることはしません。昨年までは学生自らが気付くかと思っていたのですが、昨年あたりでこれは無理だと確認いたしました。そこで、今年は最初から「聞く者は鉛筆を持ってはならない。語る人の顔を見よ。その表情と語り方に注目し、評価は語り終えてからにせよ。」とがっつり注意しました。そもそも上記の評価項目が語り人を見ていなければ評価できないものになっているのですが、なかなかそこには気づきません。今年は最初から注意したせいか、聞いている最中に視線を語り手から話した者はほとんどいませんでした。
 学生は、私が配布した素話の原稿を用いたものが多かったですが、自分でお話を用意してきた者も少なくありませんでした。「桃太郎」「三枚のお札」「若返りの泉」「星新一ショートショート」「マッチ売りの少女」などなど、面白そうなものを用意してくれました。
 大福帳に記された学生の感想は、「家で練習してきたが、いざ人前でやってみると難しかった。」「あらすじとポイントを覚えてきたが、実際にやってみると言葉がすぐに出てこなかった。」などの声が多かったです。もちろん、「友人のお話を聞いて楽しかった」という感想も多く聞かれました。私自身も実演したのでわかりますが、話のストーリーを覚えるだけでなく、実際に自分が口に出して語る練習を少なくとも10回くらいやらないと、人前で自信を持って語ることはできません。その必要性を学生たちが身をもって知ることができたのが嬉しく思いました。
 最後に、代表者2名によって、全員の前で素話を披露してもらいました。やはり、その場でお話が立ち上がる場面を目の当たりにするのはいいですね。どのクラスの発表もとても良かったです。満足の授業でした。