質問づくりの授業を試そう

 今日も非常勤講師を勤める高校の授業準備を進めた。昨日は授業全体についての構想を進めていたが、今日は1時間目の授業づくりを進めた。明日から高校の授業が始まる。今週の授業は明日だけなので、とりあえず1時間目の授業について考えていた。
 1時間目は教材と学習者とを出会わせる時間である。まずは読ませよう。しかし、小説の分量は結構多い。指名して音読をさせていたのでは、55分の授業のほとんどが費やされることになる。そこで、音読はさせないで、黙読をさせながら小説を場面にわけさせる作業に取り組ませようと思う。そのために、考察プリントを作成し、1枚目は小説の場面分けの作業を行えるものとした。
 そのプリントの2枚目で質問づくりをさせようと思う。昨日考えたように、まずは小説を授業で読む意味や、この「ウサギ」という教材を読むことで何を得たいかについて書かせよう。自分が学ぶ意味について自分自身で考えることはとても大切だと思う。
 その後で、小説全体を範囲として、小説をよりよく理解するための質問を考えさせようと思う。生徒に質問をいくつでも挙げるように、プリントに枠を作った。これにあたり、質問の目的として以下の4つを挙げた。

  1. 登場人物の心情を明らかにする
  2. 登場人物の行動の理由を明らかにする
  3. 作品の主題を明らかにする
  4. 表現の効果を明らかにする

 これらは、まだまだ練られたものではない。だが、「よりよく理解するための質問」が何を目的として作られるかを挙げるとしたらこんなものだろうと思う。そしてこれは、生徒が挙げてくる質問の是非を評価する基準ともなる。彼らが挙げる質問が果たしてこれらの目的を達成できるものかどうか、この検討を2時間目に行いたいと考えている。
 このように、小説「ウサギ」についてあれこれと質問を考え、その質問の是非について話し合うのはきっと楽しいことなのではないかなぁ。小説自体がなかなか魅力的なものだし、これをよりよく理解したいと生徒は思ってくれるのではないだろうか。そして、他人が作った質問についてああだこうだと意見を交流し合うのは楽しそうである。質問を考えるためには本文をある程度読み込まなければならないし、他人の作った質問を評価するためにも本文を読み込まなければならない。そこに、自然な流れで小説本文を理解しようという動機付けができる。そしてそれは、小説を読む力を養うことへとつながりそうだ。
 あわよくば、そのようにして生徒が検討していった質問をまとめ、3時間目以降で生徒と一緒に考えていければいいなと思う。うまく行けば、私が質問を考える必要がなくなる。(^_^) まあ、初めての質問づくりだし、上手な質問がすぐにできるはずもないので、大いなる修正が必要になりそうだけれどね。
 また、新しい授業づくりが始まりそうで、楽しみである。