『成長するティップス先生』

[高等教育シリーズ] 成長するティップス先生 (高等教育シリーズ)

[高等教育シリーズ] 成長するティップス先生 (高等教育シリーズ)

 授業改革のヒントを得ようと読んだ本である。大正解であった。
 シラバスの大切さ、講義ノートを作成する必要性、コースパケットの便利さ、日々の授業を導入部・展開部・エンディングに分けてのやり方、授業の演出法、学生を授業に巻き込む方法、成績評価などなど、試してみたいアイディアが満載である。
 高校の授業はこれらのほとんどがお仕着せの、出来合いのものを用いているので、こうした授業から評価に至るまでの設計を意識することはない。だが、本来授業とはこうしたものだろう。教科書という厳然たる建前は、ある意味では怠惰な自分自身の隠れ蓑である。
 考えてみれば、アメリカやイギリスなどの,教科書のない国では、教師が自ら教科書を選定し、指導要領を意識して授業をデザインしているのだ。その方が健全だよね。日本も、教師を雑用から解放させて、授業にもっと時間を注ぎ込めるようになれば、教科書など必要ないのだ。