今日も本を2冊読了

 電車通勤読書がはかどっている。今日はこの2冊。

スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォード シリーズ

スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォード シリーズ

 この本が出版されたとき、本屋でぱらぱらとめくって面白そうだなと思っていた。学校の図書館に入っていたので、喜んで借り出した。
 これは自己コントロールの方法を教える本だが、一般的な精神修養を説くのではない。自己コントロールについての科学的な成果に基づき、我々の常識とは異なる方法を提示する。しかもそれが、スタンフォード大学の授業となり、多くの学生たちを引きつけ、人気ナンバーワンの授業になったそうだ。多くの学生がこの授業での方法を実験し、大半が目的を達成したという。なかなか興味深いことだ。
 この本が主張している自己コントロールの方法は、巻末の訳者後書きにある次のまとめが端的に示している。

 意志力というと、「意志あるところ道は開ける」「精神一到何事かならざらん」などのことわざが思い浮かび、とかく精神論に傾きがちです。
 けれども、意志力の問題はすべての人に共通の悩みであり、意志力を強化することは精神論とは無縁であることを、マクゴニガルは科学的にはっきりと示しています。意志力を強くするために必要なのは、失敗に対する罪悪感や自己批判ではなく、自分に対する思いやりと、自分の心と体の反応を科学者の目で観察することだと説いています。そして、思考や感情を抑えつけたり、欲求を頭から否定したりせず、行動をコントロールする方法を身につけることが重要だと述べています。つまり、エクササイズのように正しい方法を実践すれば、意志力を鍛える方法を身につけることができるのです。(p341)

 私はこの本を読んで、『反省させると犯罪者になります』(岡本茂樹、新潮新書)を思い出した。失敗を責めることは決して解決につながらない。甘えさせることではないが、思いやりを持って自分に接することが大切なのである。
 また、この本でヨガの呼吸法の大切さも知った。続けてみようかな。
 面白い本だった。


実践的大学教授法―どうすれば、真の教育ができるのか

実践的大学教授法―どうすれば、真の教育ができるのか

 ずっと自宅の本棚で眠っていた本である。学習方法について何かヒントが得られるかと思って、読み始めた。
 うーん、これは失敗だった。もちろん出版当時は最先端の実践を扱っていたのだろう。しかし、何しろ出版が1995年。今から20年近く前のものである。この時には意味のある議論が、現代ではもはや当然の前提となっている。筆者たちの実践は今も意味があろうが、私が読みたいのは最先端の教授方法だ。
 残念ながら、これはもっと以前に読むべきだった。しかし、20年前の本が一概に古くさいとは言えない。20年前だろうと何だろうと、きわめて今日的な問題をカバーできる本もある。この本の場合は、旬が少々短かったと言えるだろう。