「教室読み聞かせ」をやってみようか

 今日は午前中は課題考査があり、午後は通常授業3コマがあった。その後LHRがあったので、放課は16時30分となった。LHRが水曜日にあるのだね。そして、それは7限のコマとなっている。こうしたところも今までと違っている。一つ一つが新しく、そして一つ一つがストレスである。
 授業は理系の古典が1コマ、理系の現代文が1コマあった。昨日とほぼ同じ内容のことをしたが、現代文では1つ大きく違うことを試みてみた。それは授業の中で「読み聞かせ」をしてみたことである。
 図書館の仕事から離れたせいではないのだろうが、この新発田高校では校舎は素晴らしく新しい割に、読書についてはあまり配慮されていないのかなと感じていた。本が身近にないのである。教室に学級文庫は置かれていない。私は3年生のクラスに出ているが、どのクラスにも学級文庫らしきものはない。もちろん新潟高校のように学年文庫として廊下の多目的スペースに本がある、ということもない。図書館は2階の比較的教室に近いところにガラス張りの瀟洒なものがあるのだが、今のところの私が気づいた範囲ではそれほど生徒が出入りしているわけではなさそうだ。素晴らしくきれいな校舎にしては本の気配がないな、と思う。
 生徒もどうなのだろう、読書量は多いのだろうか。まだ何も分からない状態ではある。ただ、何となく生徒たち日本をたくさん読んで欲しいな、と思わせる印象を持った。そこで、石川晋氏の『「教室読み聞かせ」読書活動アイデア38』という本を読み進めると同時に、授業の中で読み聞かせをしてみたいな、と思うようになっていた。
 今日は現代文の授業の中で読み聞かせをしてみた。扱う教材は河合隼雄の講演体の評論文である。そこで、河合隼雄著作の何かを読み聞かせしてみたいなと思っていたが、この本があることを思い出した。

泣き虫ハァちゃん

泣き虫ハァちゃん

 河合隼雄の少年時代を描いた自伝的小説である。河合隼雄自身が経験したことが基となった世界が、素直な筆致で描かれている。特に最初の「男の子だった、泣いてもええんよ」という章がぐっ、とくる。私自身が大変な泣き虫なので、この言葉は私にとって大いに慰めとなるのだ。そこで、この章を、河合隼雄の紹介をするときに読み聞かせしてみた。
 生徒の反応は、どうなのだろう、ちょっと微妙だった。そもそも、あまりこうしたことを経験していないだろうから、微妙な反応なのはよく分かる。でも、きっと大切な実践になる、と信じて、週に1回程度は続けてみようと思う。そして、生徒の感想を聞いてみよう。
 何かしら挑戦するのは良いことだ。今までの自分のペースも大事だけれど、新しいものに挑戦しなければ幅は広がっていかない。頑張ってみよう。