読解方略をメタ認知させる

 今日の授業は1コマのみ。文系の現代文である。これは、昨日の現代文の内容と同じことの繰り返しだ。「日本の庭」を音読する。ただし、今回はクラス全員で確認する方法を採った。形式段落毎に音読する生徒を指名し、全員でそれを確認する。どうやらこちらの方が時間的に早く終わりそうだ。その後で竜安寺修学院離宮桂離宮のビデオ映像を見させる。桂離宮のビデオは肝心な月見台が映っていないものだった。これは困るね。別の写真か何かを用意しなければ。その後、課題を提示して生徒に考えさせる。課題は以下の通り。

「日本の庭」第一段 課題

  1. 「強制のない今では、日本精神や日本の古典について語るのは、季節外れのように見える。」とあるが、それはなぜか。(教科書脚問)
  2. 「そのような芸術の世界における軌跡」とは、どのようなことか。(教科書脚問)
  3. 第一段における筆者の主旨とはどのようなものか。
  4. それを示すために、筆者などのような工夫をしているか。

 脚問を解くことによって全体の流れを確認していき、そこから筆者の主旨と表現上(文章展開上)の工夫について考えさせよう、というものである。
 これを生徒に5分間程度やらせる。その際、昨日示した「読解方略18項目リスト」を再配布し、それを参照しながら考えさせた。5分後、生徒たちに「今、どんな方略を使っているか?」をテーマに隣同士で話し合いさせた。読解方略に関するメタ認知を促進させるために、自分たちが今何をしているかを考えさせたのである。生徒は、「あまり意識していなかった〜!」などと話していた。そうでしょうね。本当に意識化しないと、メタ認知は働かないからね。
 実は、読解方略もメタ認知の一つだと言える。だから、「読解方略に関するメタ認知を促進させる」という物言いは不正確である。でも、自分が今どの読解方略を使用しているか、今はどの読解方略を使用するべきか、その読解方略は十分に使えているか、等々をモニターし、それを自分の読解にフィードバックするということは、やはり「メタ認知」であると言っていいだろう。そこで、メタ認知を働かせることを企図して、このようにさせてみた。とっさの発想だったが、なかなか核心をついていると思う。こうしたことを今後の授業で何回か問いかけてみよう。そうすることで、読解方略を自ら適切に使用する力を少しでも身につけさせられるかもしれない。
 それには、これ以降の文章読解のための課題を事前に設けたプリントを配布し、自宅学習するよう要求しておかなければならないね。とはいえ、受験準備真っ盛りの彼らにその自宅学習をすることは期待できない。不十分ではあろうが、今後何を問題とされるのかは事前に知らせておかないと。また忙しくなる。
 今日は授業が1コマだったので、ようやく採点に本腰を入れることができた。しかし、今日は廊下を歩いている時に、唐突にめまいを覚えて、壁に手をついた。実は最近、めまいのすることが時々起こる。睡眠不足が続いているのは自覚しているので、ちょっとこの土・日・月は休養を取りつつ、なすべき大きな仕事2つに取り組んでいこう。