紙上ディベートによる評論文のまとめ

 現代文は「真実の百面相」の最後の段落をまとめて、一応私の説明を終える。その後、自分で作成したプリントを用いて筆者の主張のまとめを行わせた。
 評論文の読解における目的は何だろうか? それは「筆者の主張・意見を正確に理解する」ことであると思う。筆者の主張を理解してこそ、自らの意見を持つことができる。また、その筆者の主張を説得力あるものとするために筆者が工夫している論理展開を理解してこそ、自らの文章作成に役立てることができる。よって、評論文の読解において筆者の主張を理解するのは、まずは大切なことであろう。
 では、生徒が筆者の主張を理解したことをどうやって確認するか? 「筆者の主張を理解しましたか?」と聞くのは愚の骨頂。「良く理解できなかった」と答えるのがおちである。筆者の主張についてまとめて書かせることも不十分だ。感想文を書かせることもよろしくない。だが、「理解したことは自分でも使うことができる」という行動主義の原則に従うと、筆者の主張を使って自らの意見を述べる、という活動を行わせるのが有効である。そこで、「紙上ディベート」を行わせた。筆者の主張に対しての反論を設ける。M君(私のことです)がこれこれの反論をした。これに対して、筆者の主張に沿って反駁せよ、という課題を出した。この反論は、前回の授業で生徒から出てきた質問を元に作成した。いやぁ、生徒から意見が出て来るなんて、贅沢な環境ですなぁ。
 この反駁を行わせる際に、反駁のための一般的な5つの方法をまず示した。これは、「ロジカルスキル研究所」のディベートのページに示されていることを引用させていただいた。詳しくは下記のサイトを見ていただきたい。
   http://www.logicalskill.co.jp/debate.html
 ここに示されている反駁の5つの方法は以下の通りである。引用させていただく。

  1. 相手の根拠の矛盾点や問題点を指摘して、その主張は成り立たないと主張する
  2. 別の根拠を持ち出して、相手の主張は誤りであると主張する
  3. 情報や証拠の不足を指摘して、相手の主張は成り立たないと主張する
  4. 相手の主張は認めるが、その重要性がとるに足らないと主張する
  5. 相手の主張は認めるが、現状の改良で同じ効果が得られると主張する

 これを生徒に示して若干の解説をし、この中から自分が適切と思う方法を用いて反駁するように指示した。一応これは「ミニレッスン」のつもりである。そして、方法を示したあと、そのどれを使用するかを生徒に任せた。これも自分では読者反応理論に基づいた展開だと認識している。
 そして、反駁文を自由に書かせた。字数制限なし。ただ、15cm×15cmくらいの枠は設けた。その後に、3つの観点で自己評価し、さらに臨席の友人による他者評価を受ける欄も設けた。3つの観点は次の通り。

  1. 自分の反駁文が、選択した反駁の方法を十分に用いたものか
  2. 自分の反駁文は、M君の反論に対して有効に反駁しているか
  3. 自分の反駁文は、筆者の主張に十分に沿ったものか

 授業は、私の本文読解の解説が思った以上に長引き、この紙上ディベートの課題に取り組ませるのに15分程度しか時間を確保することができなかった。これは最低でも30分はかかる課題である。時間配分の失敗である。生徒がようやく書き始めるあたりで時間切れのチャイムが鳴った。仕方なく残りは宿題として、他者評価は次の時間に行わせることとした。
 でも、この課題で生徒がどのような反駁を示してくれるか、非常に楽しみだな。彼らのパフォーマンスがどれくらいのものか、とくと見させてもらおう。

昨日は何もしなかった

 昨日は日曜日のPTA総会の代休でお休み。やらなければならないことが差し迫っているのだが、な〜んにもしないで終わってしまった。家事は多少したのだけれどね。そのおかげで疲れてしまったかな。

65分授業と55分授業

 今日の古典はPTA総会で公開した授業とほぼ同じ内容を行う。ただ、PTA総会での授業は55分であったが、今日は通常の65分授業である。その分、先の箇所まで進んだ。どうなのかなぁ。私は個人的には65分授業を愛している。55分授業だと、私のように活動を多用する授業を展開する者にとっては、時間配分が難しい。まあ、単位数の少ない科目では65分授業だと1週間に1回くらいになってしまい、授業としての連続性が全く担保できないけれどね。