点検読書に挑戦してみた

 今日も新潟市は雪である。朝から雪が降り続いた。時には牡丹雪がこんこんと、時には小さな雪がしんしんと。おかげで積雪はどのくらいになったのだろう。5cmくらいかな。しかし、雨も時折混じったので、溶けた雪で道路はぐちゃぐちゃである。

[現代文]

 さて、今日の授業は現代文が1コマ、古典が2コマであった。現代文は「点検読書」に挑戦してみた。8組での授業である。「点検読書」とは『本を読む本』に書かれている読書の4つのレベルの2段階目のことである。本の全体像を大まかにざっくりつかむ読書法である。その本がどういう本か、そして筆者の一番の主張は何か、をつかむ。これを行うことで、その本を「読んだ」と言えるのである。多くの読書家たちがこの読書法をマスターしている。そして、何百冊もの本をこの方法で読んでいる。世の中には精読すべき本とそうでない本とがある。それを見分ける読書法でもある。
 この読書法は、今後大学に進学して知的生活を送る生徒たちにとって必須のスキルであると確信する。私も、このスキルをどれだけ必要としていることか。私はまだこのスキルを身につけたとは言えない。まだ訓練が足りないのだ。だが、生徒たちにはこのスキルを、少なくとも知識として知っていて欲しいと願う。そこで、1時間を使って挑戦することにした。
 生徒を図書館に来させて行った。対象図書は新書である。あらかじめ司書の方にお願いして、点検読書ができるような新書を生徒の人数分選んでおいていただいた。これを私の方で生徒にどんどん配った。そして、約10分間で次のことを速読するよう指示した。

  1. 前書き、後書きを見る
  2. 目次を見て本の構成を確認する
  3. 索引があればそこも見る
  4. 筆者の主張が一番現れている章・節を読んでみる

 1〜3で本全体の構成をつかみ、4で筆者の主張をつかむのである。
 これを、生徒にペアを組ませ、1冊の本を調べてレポートにまとめた後、お互いに本を交換して2冊目に取り組ませた。
 最後にレポートをお互いに交換して、本の内容をきちんとつかんでいるかどうかを3段階評価させた。
 生徒はなかなか真剣に取り組んでくれた。この辺りが本校生徒の素直さである。こうした知的活動に粛々と取り組んでくれる。だが、集めた生徒のレポートを読んでみたが、やはりその本の核心を捕まえたものは少なかった。当然でしょ。最初から完璧にできたら練習する意味がない。何度も練習し、精度を高めていかなければ。そう何度も練習する機会はないのだけれど。

[古典]

 10組と7組での授業であった。7組は先週書かせた「源氏物語新聞」を自分の机の上に広げさせ、生徒全員に立ち歩かせて各自の作品を自由に読むようにさせた。生徒は楽しそうに友人の作品を見ていた。
 確かに力作がそろっていた。やはりこの実践は面白いものができて、よいものである。ただ、このように立ち歩かせて読ませるのも良いが、これでは各自の作品の内容をじっくり読むことができない。それでは『源氏物語』の梗概を知ることはできないだろう。できれば「書き込み回覧作文」方式をさせたいものだ。