学習オリエンテーションがスタート

 1年生は今日から学習オリエンテーションである。とはいえ、午前中は課題考査。入学前に与えておいた課題についてテストをした。国語は、導入用の冊子をやっておくことと教科書の最初の教材のごく調べをしておくこと、である。それらを範囲としての考査であった。少しだけ採点してみたが、漢字問題の間違いが目立つ。昨今は漢字が書けなくて当然という風潮もあるが、それでもやはりこの程度の漢字は難なく書けて欲しい。ちょっと間違いが多いな、という印象である。
 午後からは学年集会とLHRである。学年集会では生徒指導部、進路指導部より高校生活についてや進路に対する考え方について話がある。新進路指導部長はさすがに「すとん」と来る話をする。「オリエンテーション」という言葉の意味を生徒に考えさせていた。彼の得意の話の1つである。「オリエント」、つまり「東方」という意味からそれは来ている。そして、「オリエンテーション」とは「自分の立ち位置を定めること・方向を定めること」ということだ。良い話である。65分間も訳の分からない話をいきなり聞かせられる、その意味合いを考えさせてくれる。
 しかし、生徒たちは次第に集中力が切れてきたようだ。45分間過ぎくらいから、そろそろ頭が下がったり、あくびをしている者がちらほら見受けられるようになった。無理もない。ほんの数週間前は50分授業で生活してきたのだからね。本校の65分授業は、彼らにとっては慣れるまで大変だろう。しかし、最初からそう甘えてもらっては困る。最後は私が朝の読書について話をしたのだが、はじめに生徒たちの甘えを正すことから始めた。理解はできるが、許すことはできない。しっかりと話を聞こう、と語りかけた。
 5限目はLHRである。クラス役員を決めた。まずは級長・副級長を決める。私は徹底して、これは立候補を募る。私の方から指名したりはしない。指名するのは、教師の権力によるあまりに理不尽な決め付けである。生徒が自らクラスを作り上げていくのだ、という姿勢を示すためにも、クラスの代表となる級長・副級長は立候補を募った。今までの私の本校での経験では、そんなに苦労なく立候補者が出てくれた。しかし、今年は少々手こずった。なかなか生徒から手が挙がらないのだ。これは長期戦になると覚悟を決めて、私は椅子にどかりと腰を下ろし、彼らの出方を待った。その間、いろいろと役職の説明をしたり、立候補する意義について語りかけた。10分ほど経っただろうか、一人の男子生徒が手を挙げてくれた。嬉しかったねぇ。本当に。もう一人も募ったところ、これもしばらくしてから男子生徒が手を上げてくれた。私の担任するクラスには珍しく、二人とも男子となった。いやぁ、今日はこれが一番嬉しかった。
 その後は、各種の役職の説明をし、生徒に一斉に希望を黒板に書かせた。定員オーバーになったところは、その名前を書いた者たちで決めさせた。このように、何かをクラスで決める場合、できるだけ彼ら自身に決めさせるというのが私の方針である。私の方から「こうしよう」ということはほとんどない。そのように彼ら自身が決めてこそ、彼ら自身に責任を負わせることができる。私はそう信じている。