特編B6日目

 今日は古文の問題。大阪府立大学の問題である。大阪府立大学の問題など、こんな機会でもなければなかなかお目にかかるものではない。しかし、これがまた良問である。問題の解法自体は非常に単純で明快である。傍線部について答えるためには、それが説明されている箇所を探し、とにかくそこを口語訳すればいい。こうした設問の傾向は、東大やら京大やらにも共通するものだ。
 解法は非常に単純なのだが、この説明されている箇所を口語訳するというのが至難の業なのだ。文法的にどうのこうのということではない。背景となる状況や前後関係から理解すべき状況やらを十分に踏まえて、文章内容を深く理解した上で口語訳をしないと、そもそも何を言っているのか分からない解答となる。いやはや、これは良問である。このように、まっとうに頭を働かせて解答にたどり着かせるというのが良問だと思うなぁ。その頭の働かせ方の深さが深遠であればあるほど、良問だと思う。
 たとえば、次の和歌の解釈である。出典は「讃岐典侍日記」である。

周防の内侍、後冷泉院におくれまゐらせて、後三条院より、七月七日に参るべきよし、おほせられたりけるに、
  天の川おなじ流れと聞きながら渡らんことはなほぞ悲しき
とよみけんこそ、げにとおぼゆれ。

むろん、リード文やら、この前の部分の文脈やらはあるけれど、この「おなじ流れ」から天皇の血統を思いつけ、というのはなかなかのものだ。いいなぁ、いい問題だなぁ。好きだなぁ、こういうの。