『論理的に考える技術』

 上の実践のヒントを与えてくれた本。文章構造を図示する、というテーマは私がずっと追いかけてきたものであり、実践もしているが、もっといい方法はないものかと思っていたところに、この本はよいヒントを与えてくれた。特に段落同士の関係や文同士の関係を図示する方法と、それらのつながりと接続詞との関係、その図示のあたりが非常に役に立った。
 その後から続く、図示の具体例として筆者自身が書いた文章を用いて説明するのは当然なのだが、図示を元にして文章を書くその例文としての筆者の文章がちょっと浮いていた気がする。特に小説や童話のあたり。
 でも、文章を書くに当たって、構成を図示して論理的に構成することで文章が書きやすくなる、という指摘はするどいものである。図示することは、文章を理解するためにも必要だし、また図示できれば文章も書けるわけだ。
 頭括式や尾括式、双括式などの文章構造の基本の形の重要性がようやく分かった気がする。上記の文章の図解を自分自身でやっていて、この文章が双括式なのだと理解した瞬間に、すべての内容や段落のつながりがクリアに見えたのは得難い経験であった。