『ハリー・ポッターと謎のプリンス』読了
ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6)
- 作者: J. K.ローリング,J. K. Rowling,松岡佑子
- 出版社/メーカー: 静山社
- 発売日: 2006/05/17
- メディア: ハードカバー
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うーん、この第6巻は他の巻よりも一番重〜く心に残った。第5巻でもハリーにとって大切な人が死ぬが、この第6巻ではまさかあの人が死ぬなんて……。しかもそれがあの人のせいだなんて……。あまりに意外な展開で、しかもあまりに急激なストーリーの変化で、しばらくは何も考えられなかった。うーん。
第5巻はハリーが追いつめられ、誤解され、孤立して、ひどく怒ってばかりいる。第6巻ではそうした感情の波立ちはほとんどなく、むしろ信頼と暖かさとがずーっと続いていくストーリーなのに、最後の数章で大事件が起こる。これはなかなか予想ができなかった。
ある生徒がすでに読み終わっていたが、「あの結末はちょっと……」と言っていた。それを聞いて「物足りない」という意味なのかな、と思っていたが、あるいはそれは「信じられない」という意味なのだろうと思う。少なくとも私は、この第6巻はかなり重かった。これほどの心的エネルギーを受けたのは第1巻以来だ。第1巻は、特にクイディッチの場面で読んでいて映像が頭に浮かぶほどの臨場感を感じた。この第6巻では例えようもない喪失感だ。